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古本屋日誌

2019-04-19 11:09:00

今朝は薄曇りで春たけなわですね。

小島政二郎の「場末風流」は昭和35年に単行本が出てその後一部が旺文社文庫になったんですが、単行本の方は400頁以上あってしかも二段組みになっていて情報量も豊富で今も人気です。

小島はとにかく悪口が止まらない人で誰であれお眼鏡にかなわない芸人、作家に容赦がない。この本でも三遊亭百生のことを東京へやって来たものの人気も出ずまた大阪に舞い戻って「長屋の花見」を演じていたが、嫌味だし、こなれてなくて哀れを催したなどと書く。

小島に言わせれば落語にせよ講談にせよ、歌舞伎にせよみた芸の力ではなく説明して客に伝えようとするのがそもそも堕落だと一刀両断、なるほどまあそうなんだろうがこちらはそれほどの名人の芸を目にしたこともないので感心するばかりだけどね。昔は芸人風情とあからさまに差別していて蔑むところもあったから、よほどの道楽者か、芸に取り憑かれたやつとかしか芸人にならなかったかもしれず、そういう差別が芸を鍛えることにもなったのだろう。

小島も言っているがものがわかりすぎるのも考えものでその名人が死んでしまったらあとはバカバカしくって他のお子ちゃま芸など見る気も起こらない。そのようにしてどんどん世間が狭くなっていくわけです。