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古本屋日誌
2019-04-18 01:07:00
岩波文庫のオールコック「大君の都」は人気のある日本滞在記で、イギリスの日本総領事として幕府との交渉にあたる一方全国を旅した話も収録してある。
中巻の最後に大阪や奈良を旅した話があって、大阪に関しては運河が四十発達しているが「ベニスに比べるべくもない」ものに過ぎず、また四天王寺に参拝した際も1時間も土煙が立つ中を歩かされて、暑い中寺に着いたが何も見るものがない、ただ五重の塔があるばかりで、失望したオールコックは「塔に登らしてくれ」と頼むのだが「大阪城代の意向で禁止されている」とにべもなく拒絶されてしまう。大阪城に向かうものの、外から眺めるだけで登城は許されなかった。
まあオールコックはバカですね、何も見えていない。西国防衛の拠点である大阪城にイギリスの総領事を入れないのは当たり前だし、四天王寺の五重の塔に上がらせないのもけとうに信仰の聖地を土足で踏み荒らされたくないということで至極当たり前ですね。
イギリスの植民地支配はオックスブリッジの落ちこぼれやならず者を派遣するのではなくエリートを遣わして出来る限りよくあろう、正義と民主主義を伝えようとするものだった。そのためインドではカースト制度が明らかに身分制度であり不公正と思われたので、とりわけチームワークが欠かせない軍隊では許されないことに思えた。そしてバラモンであろうがシュードラーであろうがハリジャンであろうが国のために等しく扱おうとこころみて、結果としてはセポイの大反乱を招いた。
そのてんでいえばオールコックは物事をきちんと見ようとする視点もなく、能力的にも欠如が目立ち徳川幕府からも与し易しとなめられていた、まあ言動を見れば納得できますね。