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古本屋日誌
2019-04-10 01:34:00
地理学者の加藤政洋がちくま新書で「大阪」を出した。
感心しない作品でいったいどこに目をつけているのだろうか。「都市の歴史を掘り起こす」としてミナミやキタを始め大阪各地の沿革や現在を取り上げているが、先端的な工業地帯やランドマークと釜ヶ崎や日雇い労働者といった両極端しか大阪にはないという視点が陳腐でバカげている。
そういう視点は加藤も取り上げている小野十三郎がかつて言っていたものだが、そんなわけあるはずもない。加藤は織田作之助の著作も引いて廃れゆく情緒を取り上げるが、織田が古きよき大阪を愛していたことは普通に織田の小説を読めばよほどのバカでない限り誰でもわかることだ。
例えば「ラサスポーツセンター」はどうなのか?巨大な屋内スケートリンクをもち、さらにテニスコート、屋外プール、ボウリング場ショッピングモール、飲食店街などを併設したこのスポーツセンターは都市の機能性や可能性を示してもいるし、また一方で一か所でなんでも楽しめるごちゃ混ぜの合理性も表していることは明らかだ。また織田作之助は嫌がるだろうけどね、その気持ちもわからなくはないが。
扇町公園にあった「大阪プール」は?大阪近郊だが先日取り上げた「阪神パーク」は?大阪球場や中津のスケートリンクは?ヤンマービル地下のライブハウスは?「プレイガイドジャーナル」や「編集工房ノア」はどこへいったんだ?このような大阪を代表する施設や経験が一切取り上げられてはいない。それで何を論じたいのだろうか?誠に不思議な御仁ではある。
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