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古本屋日誌

2019-02-04 12:01:00

今日は雨も上がり気温が急上昇、生暖かい風が吹いている上におてらしさんもあって冬が終わったかのようです。

天牛堺書店の破産は残念だが、みなさんはいつぐらいからこの古本屋のことをご存知なんだろうか?ずーっと前から店頭に均一台をたくさん並べて、台の両端にもうず高く本を積んで下の本が見えないようにして客に掘り出し物を期待させる手法はとっていました。

しかし現在と大きく違うところはプレミア扱いの本が基本的になかったところです。今は例えば船場店など均一台とは別にサンリオSF文庫、講談社学術文庫、岩波文庫、ちくま学芸文庫などの棚を設けてきちんとした値段で売っています。

前はそんなことはなく文庫本、雑誌は全て均一価格で非常に安かった。例えばサントリーが開高健らに出させていた雑誌「洋酒天国」や講談社学術文庫の「百魔」は100円でいくらでもありました。従って今をはるかに超える客が詰めかけていたし、私同様毎日通ってる人もたくさんいました。これは天牛堺の経営者が相場を知らないとかそういうことではなく、敢えてやってるわけです。

「俺んとこに流れてくる本はいくらでも手に入る程度のものなんだから、一々プレミア価格などつけずにさっさと客に売ってしまうべきなんだ、一つ一つの本にこだわるべきではない」という見識だったわけで、これはこれで正しいし安く売ることで、リピーターを飛躍的に増やし、またその客に本を売ってもらう循環もできるわけだから一石二鳥なわけです。当時はネットもSNSも何にもない時代でしたが口コミや噂は厳然とありその良否は店の浮沈に関わっていたことは今と何も変わらない。

ところが2003年に高島屋堺東店に新店舗がオープンした頃から講談社学術文庫などはプレミア扱いとなり、相場を踏まえた値付けがなされて、これらは特別扱いで均一台には出なくなりました。それはそれで経営哲学としてはありだろうけれど、方針転換したなあと思い知らされたことも確かでした。船場店では10月の「船場祭り」に合わせてマンガのセットが1000円均一で提供されたり、その他のセットも安い値段で売っていましたがそのキャッチフレーズが「どこよりも安い!アマゾン値段と比べてみてください❗️」だったのには驚いたなあ。そんな通販の価格と店頭価格が同じであるわけがないじゃないですか。店頭に客が来るのは品揃えと安い値段でしょう、当たり前のことなのに天牛堺様はどないしはったんやろーと話題にもなりました。