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古本屋日誌
2019-01-26 10:43:00
今日は予報通り気温が低い、風は大したことないが空もどんよりした黒い雲に覆われていて典型的な冬空となった。
鵜飼秀徳の「仏教抹殺」が文春新書で出た。廃仏毀釈が暴力的な寺院破壊となったことは知られているが、東京などでは寺と神社を分けただけで緩やかな分離となったが、鹿児島や高知、長野の松本などでは地域の寺を徹底的に破壊したことが詳しく書いてある。
奈良の興福寺も五重の塔が25円で売りに出されたことはよく知られているが、所有者が縄をかけて引き倒そうとしたり、薪を積み上げて焼こうとしたことや、金堂が警察署になり中で暖をとるために天平の千体仏を鉈で叩き割ってくべていたことなどが書いてある。この千体仏のうち50体は京橋の藤田美術館が所蔵している。例のオークションで新館の建築費を300億円調達した美術館だ。
大阪の住吉大社も現在は「桜畑」といわれている本殿に隣接する広大な土地に「住吉神宮寺」という大きな寺があり三重の塔もあったが、廃仏毀釈で完全に破壊されて今は跡形もない。塔は四国のある寺に移築されて残ってはいるがはるばる四国まで持っていかなければならなかったところにこのおかしな運動の苛烈さが伺える。なんせ土塀も完全な解体されていて何も残ってないのだから不思議なくらいだ。
この本には廃仏毀釈の思想的な背景の考察は含まれていないんだが、神道を中心として国家を再編したいゆえに牛頭天王や馬頭観音を祀る神仏習合は許されなかったとの解説はよく聞きますね。でもそんなものはタテマエでしょう。大衆の信仰なんかいつだってそういうものだし、神社を分離してスッキリしたからといって何かが変わるわけでもない。
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