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古本屋日誌
今朝はえろうぬくうて風もぬるんでいて、まるで春になったかのようです。
有村架純の写真集「CLEAR」が入荷しました、ぜひお求めください。auのCMに出ていて珍しくセリフと表情の使い方がうまい俳優だと思いました。その後行定勲が監督をした「ナラタージュ」に出ていて、この映画は先ごろ直木賞を受賞した島本理生原作のもので、島本はむしろ芥川賞がふさわしい文体の持ち主で、映画も面白かろうと期待して見ましたがつまらなかった。これはそもそも原作がくだらないからで、高校の先生が好きでいつまでもズルズル引きずっているよくある女を描いた、品のないメロドラマに過ぎず、なんとかならないものかと思いました。
有村架純はさすがにうまいんですがこの映画もそうですがテレビドラマの「中学聖日記」もそうなんですが、脇が甘くていくらでもつけ込まれそうな女をハマり役にしてしまったのではないかと感じた。まあ表情からして押しに弱そうな、真面目な感じがあるから、本人がやりやすい配役を選んでいるとも言えるけど、幸彦さん役から変な役ばかりになってしまった佐野史郎や、異常者役がうまい藤原竜也みたいになるおそれもあるな。
この写真集「CLEAR」にはインタビューが収めてあって役者デビューして2年ほどは詳しくノートをつけて芝居を研究したことや、それにもかかわらずつまらない演技をしてしまい「こんな芝居しかできないなら役者やめなさい」と叱られたことや、ドラマの撮影でアップアップになってしまい楽屋で1時間も泣いてしまったとか真面目な性格がよくわかるエピソードが書いてあるけど、まあどんな仕事にも苦労なんかあるに決まってるし、俳優なんかそもそも浮き草稼業の非常識な仕事なんだから、分かりきったことを言わないでほしいところだ。この本の中で行定勲は「悪役に挑戦してほしい、その天分が彼女にはある」と期待を表しているのだが、正しくそれができたらいいんだけどね。まあ無理でしょうな。
先ごろ勝新太郎の対談集「泥水のみのみ浮き沈み」が文春文庫で出たが、何と言ってもビートたけしとの対談が面白い。勝新太郎は役者というものはそもそも非常識な日常を生きるんだから、高みに達するにはクスリをやらないといけない、「お前もやってるだろ?」と真顔でたけしに聞いてくるがたけしは「やりません、役のためにヤクをしないといけないという理屈がわからない」てな感じの噛み合わないやりとりが続くんだが、そりゃあヤクでもクスリでもやってすごい芝居を見せてほしいとしか思わないな。