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古本屋日誌
2018-12-05 12:57:00
今朝は曇り空でしかし冬の雲が垂れ込めていて、風も強いという天気ではなくやたらに湿気があってぬくい。
先日お客さんのところに伺ったらちくま文庫のチェーホフ全集やイタリアのポッテンペルリ「わが夢の女」、創元ライブラリーの中井英夫全集、ちくま文庫の夢野久作全集、ちくま学芸文庫の正史三国志、ニーチェ全集、中公文庫のフロイス日本史全12巻などがあり、お客さんは売りたくなさそうでしたが「やはりこういういい本は読まれてなんぼですよ、こんなタイムマシンで持ってきたようにきれいな状態では本に申し訳ないと思いませんか、よしんばこれから読みたなったとしたら、私にゆうてください、昨日お届けしますから。だから売りましょうよ」とひつこくお願いして大半を売ってもらいました。ぜひみなさまお買い求めください。
夢野久作全集は11巻目がエッセイを集めた巻で、人気があります。彼の父親は例の「百魔」の杉山茂丸ですが息子は杉山龍丸ですが、坪内祐三が「古本的」で書いていましたが、相当な資産が親父や祖父からの印税であったはずなんだが、本人は終戦後東京で戦没者の状況を遺族に詳しく伝える仕事をしていた。役所から遺族に未帰還者の消息が判明したから来てくれと通知を出して出頭して来た遺族に戦死の具体的状況を、といってもどこらへんで死んだということだけなんだが、伝える仕事で泣き崩れる遺族を前にすると自分にもその辛さが伝わって来てしまう。やがて龍丸は私財をなげうってインドの緑化事業に乗り出すことになる。