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古本屋日誌

2018-12-01 12:12:00

雑誌「大阪春秋」の最新号は漫才作者秋田実の特集号で、秋田が東大の学生時代に書いていたプロレタリア文学や戦時中の書いた時局に合わした「慰問袋」という戯曲などが復刻してあって、まあ漫才の台本はすでに著作集も出ているのでかえって新鮮でした。左翼文芸の方はまあ大した出来ではなく習作みたいなもんだろうが、「慰問袋」は昭和16年の作品で嫁がシナ戦線の兵隊に慰問袋を送ったら返事が来た。それを見た旦那が「われわれが安楽に暮らしていけるのは、兵隊さんが身命をけずってくれているからだ」「だのにそれを忘れていた自分が恥ずかしい」となって夫婦揃って兵隊に出す手紙をいそいそと書いていくというストーリーで、クスクス笑えるところもある。「この頃電車の中でも一升飲んでる人は五合しか飲んでない顔をしてるし、五合の人は三合の顔で三合の人は一合で、何も酒飲んでない人は飲みたいなあゆう顔してる」とある。
まあ確かに兵隊が身命を削っているのだから、銃後は慎まないといけないが、今は自衛隊がちょっと砲弾を民間地に落としたということでえらい批判されたり、沖縄の米軍のオスプレイが墜落した、危険だと批判にさらされるわけだから時代は変わったよね。軍隊なんだから危険なものしか保持してないわけだし、その危険性にこそ意味があって侵略や侵攻を防いでいるわけなのに、そのことはなぜか問題にされない。とにかく自分の生活に少しでも問題のあることなら、それだけで大変なことになって問題視されるというのは平和な時代でもあるし、もしかしたら、ピンカーの言うように、ハラリの言うように人類は進歩して戦争や侵略の危険性は過去のものとなったのかもしれない。それなら自衛隊も米軍もとにかく毛嫌いされても仕方ないことになるし、もはや時代遅れの戦艦大和なんだろうなあ。でも今年最大の危機であった北朝鮮の核問題はアメリカが譲歩して決着したが、宮崎哲弥が言うように北朝鮮のアメリカ本土にも届こうかというICBMの核戦力が譲歩を引き出した原因なわけで、まだまだ世界はパワーバランスで決まっていくようではある。

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