Welcome
古本屋日誌
2018-09-06 12:22:00
今年は地震やら水害やら台風やらがえらい多うて、困ったもんですね。
先日藤澤桓夫の「朝の歌」「傷だらけの歌」「私は見た」を入手しました。私は藤澤の作品はどれも大してうまいとは思えず、なぜこの程度のものが出版できたのかの方に興味があるくらいです。確かに「大阪自叙伝」というエッセイや「回想の大阪文学」といった実録物は類書が無いせいもあるし、大阪高校のバンカラ振りや波屋書房の面白い経営やスミカズの話など資料的な価値があるんですが小説はどれもこれも人物描写がデタラメでとても普通に生きている人間とは思えません。ストーリー展開もまどろっこしいばかりで深みがない。ただ風俗小説として読んでみると浜寺が高級住宅地だということや、浜寺から河堀口に出るには天下茶屋で乗り換えて天王寺支線を使うとか、四條畷の名物は鴨料理で、飛来した鴨を朝仕留めてすぐに食卓に供するとか、それなりには面白い。ただ主人公ごカフェーに行こうとしている青少年を見とがめ一喝して説教して「カフェーに行くような人間は最低だ」とかいうのには呆れた。私などキャバレーに中学の頃から行っていたし、私の周りでも例の巨大キャバレー「メトロ」に子どもの時に親といったと話す人はいくらもあるわけだから、藤澤先生はどこかおかしいのではないのか。