Welcome
古本屋日誌
2018-07-14 11:28:00

今朝も暑い、例によって猫は出たがりましたが、日向の強烈な日射を目にして臆して玄関のひさしの下の日が陰ってあるところに佇んでいます。
旺文社文庫の内田百間著作、全39巻が入荷しました。このシリーズは装丁がまず魅力的でバーコードも付いておらず非常にカラフルでシックな雰囲気がよく、かつてのサンリオSF文庫のそれを思わせます。サンリオのやつは翻訳があまりお上手とは言いがたく、いつもなんとかならんのかと思うんですが百間のは魅力的な日本語の粋を集めたもので中身でも楽しめ装丁でも楽しめるという大阪人の評価するおまけ付きの商品、グリコのおまけみたいなものでオススメです。
百間の貧乏はなしはなかなか巧みでひちやに行けるのはまだひちぐさがあるから生活が安定して回っている証拠で貧乏になると持っていくものがなくなるという話から始まって、幼少期岡山の造り酒屋で裕福だった思い出が語られます。虚無僧が托鉢に来た。折悪しく店のものは出払っていて幼い百間が致し方なく米びつのところに案内して虚無僧が差し出す器に米を入れてやるのだが、器がいっぱいになっても満足せず、顔を歪めて更に別の入れ物にも満たすように要求するので仕方なくたくさんの施しをする羽目になり、後で家のものからひどく叱られた。さらにげびつの米がやたらに減ることに家人が気づいて米びつにしるしをつけて減り方を見ていたら下女が米を盗んで実家に送っていることがすぐに判明した話が続く。たわいない話なんですが虚無僧が手を替え品を替え顔をしかめたり、口をヒン曲げたりして百間を脅迫する描写がなかなか面白くて読んでしまいます。