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古本屋日誌

2018-07-07 09:43:00

昨日はやはり雨が降り続き、びっくりしました。京阪電車は動いていましたが、JRのいろんな路線や阪急の神戸線は運転見合せとなり、百貨店が早仕舞いしたり、船場のセンタービルでも臨時休業するお店がありました。
柏木ハルコの「健康で文化的な最低限度の生活」などを入手しました。柏木はなかなか絵の上手い漫画家で顔の描きわけだけでも大したもので、この作品も生活保護受給者の悩みや世間の偏見、また役所の生活課の職員が奮闘する様子をしっかり描いたもので素晴らしい。しかし柏木には「花園メリーゴーランド」というなかなか面白い作品があって、東北の寒村を舞台にしてそこに迷い込んだ東京の中学生の物語なんだが、その部落では現在に至るまで夜這いの習慣が残っているし、男も若者宿のようなところに集められて中年のおばさんから夜の作法を教わるし、また女も自由恋愛で処女をなくすのではなく、女あしらいに長けた中年の男といたすことになっていた。こう書くとあまりにも現代とかけ離れたおとぎ話みたいだが、実は部落の住民はごく普通の人たちで、中二の女はブルーハーツが好きだし、コンサートに行きたいと思っているし、同い年くらいの男とデートもしたいし、手もつなぎたいと思っていて、ところが部落に伝えられている慣習も大切にしたいしとそのあわいさで悩む様子がよく伝わってくる。そう考えるとちょっと変な連中で、現代のわれわれの価値観からは想像を絶するようなスタイルで生活を送っている人たち、まあ現代で言えばインドとかの人たちとも実は大して違いはないということになる。


柏木は他にも締め切りが来ても原稿が上がらず編集者に詰められるという私小説めいた短編を描いていて、ストレスの余り編集者に「やらせろ」とセックスするよう要求したが男は拒否する。「お前前に一回やってくれたやろ」とさらに女は腐れ縁を持ち出して関係を迫るのだが男が「先生が高橋留美子のような作品を描いてくださればいたします」と言い放ったので「どんだけのことをゆうんや」と泣き崩れるというもので、面白かった。
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