Welcome

古本屋日誌

2018-06-06 00:48:00

幻冬社から上原隆の「君たちはどう生きるかの哲学」が出て、無名の普通の人の人生をうまいタッチで描く人だけに早速買い求め期待を裏切らない健筆ぶりを感じました。その中に鶴見俊輔の話があってこの高名な評論家が自らの出自を気にして親の七光りだとか、上流階級だとか言われるのを極端に嫌ったとある。そのために主催していた雑誌「思想の科学」の運用資金に付いて親の家を売った金を日本銀行の出身である評論家のいいだももに運用を頼んでそれをあてたという。親がかりでない証を立てようとして敢えて資金の話をしたんだと上原隆は書いているが、でも親の家を売った金なんだから、完全に親がかりでしょう。ちょっと例としては不適切だと思いました。
でもまあかつてマルクス主義が全盛だった頃文化大革命では親の出自を問題にして裕福なものには自己批判を求めたり、連合赤軍のいわゆる総括でも同様のいわれなき批判が加えられたようだ。
私の周りでも学生時代バイトをして金があるのに、なぜかちゃんとした晩御飯を摂らずにパン屋からただのパン耳をもうてきてかじり、翌日の昼ごはんもそれにすると言ってわざわざ経済学部の教室まで持って行き、講義が終わった後教授が「このパンの耳はあんたのんか?」とひょいと持ち上げて彼の方にほうり投げたところえらい怒り出した。「貴重な昼メシをほうるてなんや」と先生に食ってかかったからあきれた。他にも家庭教師とか予備校で教える仕事がいくらでもあるのにわざわざそれにはつかず、新聞配達のバイトをしてるやつとかもいた。他にも琵琶湖疏水に出向いて釣り糸を垂れて入れ食いであるブラックバスを釣ってきて刺身にして食べようとしていた農学部の友人がいたが、においがきつくて果たせず、結局塩焼きにして食べていた、これは金がない本当にない男だった、なぜかというととにかく働くのが嫌な男だったからだ。さらにマクドにバイトに行ったはいいが、すぐに鉄板で火傷してしまい、もうバイトは面倒だと公園に出向いていくらでも群れているハトを捉えて焚き火で焼いて食おうとしていた友人もいたが、これは面白かった。まあトロツキストの太田龍なんかは動物の権利とか言い出してはては家畜を解放するべきだとおかしな主張をしていたから当時の流行だったんだろう。