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古本屋日誌

2018-04-27 09:18:00

今朝は曇り空で暑いこともなく寒いこともなく快適です。

今月の中旬岩波書店は平田篤胤の「仙境異聞」(岩波文庫)を久々に復刊しました。あの世に行ってなぜかまた帰って来た子どもの話で以前から古書価格が高くなっていて8000円くらいになっていました。岩波書店は月に一回まとめて重版する書目を発表するほか、春と秋にはかなりの数を重版し、さらにときとんぼなしに今回のように高くなっている本を出すことがあります。

中公文庫でも長らく「頼山陽とその時代」全3巻が品切れで高くなっていたが、中央公論社はなぜか復刻はせず、代わりなのか筑摩書房が文庫の索引もつけたものを新たに出しました。ために中公文庫の方の古書価格は大きく下がりました。筑摩叢書の「歴史主義の成立」は例のマルクス主義批判の基本書としてなかなか評判でしたがこのところは社会主義の魅力も地に落ちてしまい、価格も下がっていますが、ちくま文庫などに入れなかったのは「薔薇の名前」と同じ理由、つまりまだまだ売れるから利幅の少ない文庫にする必要がないと判断したのではないのかな。中央公論社からは「歴史主義の貧困」も出ていてこれも同じくマルクス主義の衰退とともに急速に古書価格が下がりました。しかしまた版を新しくして出したらこれはこれで評判でかなり売れています。「歴史主義の成立」もぜひ新版で出すかあるいは文庫にしてもらいたい。

講談社メチエから「長安の都市計画」というのがだいぶ前に出ていてかなり古書価格が高い。まあ「復元 安土城」みたいなものですがなぜか文庫にもならない。長安ですからね、あんまり客がつかないんではないかとゆう判断なのかもしれない。そういえば斎藤なずなが話の雑誌から出していた「片々草紙」もずっと品切れで古書価格はそもそも私も一度しか見たことがなくよくわかりません、問題なく売れるのにさっさと重版かけてもらいたいものです。

先日お客さんのお宅に買取に伺った時講談社学術文庫がたくさん本棚に見えて「あれは売りませんか?高いのもありますけどね」と勧めてみたら「いや、あれは置いとく、講談社学術文庫は重版しないわけだから、価値がある」と言うので「いやいや、売れるものはいくらでも重版かけてますよ、例えば日本書紀とか続日本紀とかいくらでもやってますけど」とお答えしてみたが、結局何もおっしゃらずそのままになりました。

岩波書店はまた漱石全集を出していますが、まあ完全に紙の無駄ですな。特に新しい発見があったわけでもないし、第1巻から出す意味なんかない。ただ古本屋の立場からするとなぜか漱石全集は人気がありよくお買い上げいただけます。かなり大量にいつも売れるんです。でもそもそも漱石てそんなに面白くもないし、文章も鴎外に比べたら全然大したことないし、エロい話は全くなく、そういう受けを狙ったくだらなさが私は嫌いです。