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古本屋日誌

2018-04-14 10:48:00

今朝も割と寒うて起きてからセーターをはおりました。先日お客さんから雑誌「あまカラ」全201冊(新聞状の付録付き)に加えて「甘辛春秋」全24冊をお譲り頂きました。老舗の和菓子屋である鶴屋八幡が出していた食べ物エッセイ雑誌ですが、たくさんの写真がグラビアページに収めてあって見て楽しく、読んで楽しい本だ。1952年の7月号に例によって小島政二郎の「食いしん坊」が載っていて小林秀雄と一緒に、今はもうなくなってしまった「生野」で鰻を食べた話があり、東京のものと違う脂ののりな味を誉めた後5分くらい他の人と話をしてからまた鰻に箸をつけたところもう皮が切れなくなっていたとか、生野の鰻の茶漬けはあっさりしていて食い足りないとか書くのが小島の真骨頂だろう。それでも小島は生野の鰻は東京とは違う美味さがあると認めているのだが、同じ号にこ当人の生野と柴藤の社長の鰻対談が載っていて、東京風の蒸してから焼くやり方を「あれは美味い脂を無理から抜いてしまい、ダシガラでしかない」と批判している。

まあなんでもありの方が当然面白い。

この号では文士の林房雄、例の大東亜戦争肯定論を書いた人ですがを今橋の「吉兆」に連れて行った時の話も出ていて林が大声で「こんなシャバシャバしたもんよう出してくるなあ」と小鉢料理に文句を垂れて、そのすぐ次のページには吉兆の湯木貞一の回顧談が載っている。まあ食べ物の話は個人の趣向がからむし、その時の体調や気分によっても変わってくる上に、そもそもうまいものを食べても美味さがわからない舌しか持たない人が実は多いということもあるから、論じるのは難しい。

いつかのささやき女将はもちろん湯木の店のことではなく「船場吉兆」のことなんだが、私はいずれの店も行ったこともないのでなんとも申し上げようもない。