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古本屋日誌

2018-03-19 12:14:00

今朝は曇りで予報は雨なのでお客さんの注文を早めに郵便局に持って行きました。このところ石牟礼道子の本がよく売れます。講談社文庫の「天の魚」は以前から高かったんですが、「苦海浄土」も人気があります。石牟礼が水俣病に向き合う姿勢は土着的で、死んだ人間や魚や空さえも窒素を包囲する、怨蹉の声を上げるわけです。窒素だけがその他の公害病に比べて強く責任を問われた件に関しては児玉隆也が「淋しき越山会の女王」の中で詳細に検討していて、要するに窒素は札付きで公害病の常習犯だということです。 

先日お客さんから向田邦子のいろんな本をお譲り頂きました。そのなかに「霊長類ヒト科動物図鑑」があり、再読してそのうまさに驚嘆しました。小学生の教科書を見ていたらこの「霊長類ヒト科動物図鑑」が載っていてガキの頃からこういうのが読めるとは羨ましいとも思い、でもまあ子供にはわからんやろうけどなぁとも思った。知ってる顔は実はとっつきにくい、どう反応していいかわからず困ることを肉親に外で出会った時を例に挙げて論じる、困った繋がりで父親をホームに見送りに行かされた話があって列車が出るまで居心地の悪い思いをしながら作者は立ってるわけです、最後に風呂上がりに身体を拭いてる時に知り合いから電話がかかり一人暮らしの気安さで話続けたらふと横によく知っている倉本聰の写真の載った週刊文春があってどきりとしたで終わる。

話題がかなり遠くに伸びて行きそらはそれで面白いのだが最後にまた元の話に別の道から連れ戻してくださるようで、うまいなあ。