Welcome

古本屋日誌

2018-02-09 12:42:00

今朝はずいぶん寒さも和らいで過ごしやすかった。このところ雄猫がおこたのねきで眠り惚けている隙を伺いそーっと頭を乗せてねこまくらをしてみたが軽く乗せる分には問題ないことがわかった。

先日お客さんから花輪和一の「ニッポン昔話」などをお譲り頂きました。このマンガは初め限定3000部とかで、かなり高価だったんですが、まあ部数が多すぎるのでプレミアというわけにはいかず、今は上、下2巻で簡単に読めます。しかし花輪は天才なのでそんなことはたいした問題ではありません。この本にはばあさんが亡くなり孫を殉死さす両親の話があるんですが、花輪が想像力を駆使して我が子を死なせる親の気持ちやそれを可能にする考えを描いていて衝撃的です。親は子どもが死んでも生まれ変わることを確信できているんですが、それでもいざとなると苦しい。だからその親心を苦しみを緩和してくれる装置があるんだという話です。よくそんなことをかんがえつけるなあといつも思います。

彼は自宅に銃を所持していた廉で逮捕され収監されるわけですが、出所のち雑誌「アックス」で出所祝いの対談があり、本人と呉智英や青林工藝舎の担当などなんですが、花輪が自分は遅筆で新しい作品が出せなくて、古い作品をカバーを変えたりしてまた出すのは気がひけると殊勝なことを言うのに対して呉が「そんなこと言ったら漱石なんかどうなるのよ、あんなに何百回もおんなじのを手を変え出してるじゃない」というと「それは夏目漱石だから」というが対談の論客はみな口を揃えて「あなただっておんなじようなもんだよ、漱石とそう変わんない」と言ってました。私もそう思います。この対談で驚いたのは青林工藝舎の担当が例の大菩薩峠の破防法で高校生の時にパクられたやつだということで相当長いことぶち込まれていたが、今は立派な編集者になっていることで、東京は雑誌を主体に様々な出版社があるので、こういうやさぐれものにも優しい都会だということです。以前は予備校や塾ににやんちゃしていた人や落ちこぼれがたくさんいたように思いますが(山本義隆は駿台だし、牧野剛は河合塾ですね)今はそういう人はいないでしょう。ゲームクリエーターやアウトソーシングに行ってるのかなあ。