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古本屋日誌
今朝は寒さも緩み早起きしましたが大丈夫でした。雄猫が例によってゴミ出しの時に外に飛び出し案の定ぬくさに誘われて散策中の近所のくろうに遭遇してにらみ合ってました。今回は間に針金の柵も何もなく文字通り顔と顔を付き合わせる状態でそのあわいは10センチしかなく1分くらいうなりもってにらみ合ってましたがこれ以上放置したらかみつきあうか、猫パンチの応酬で怪我をすると案じて後ろから近寄ってうちの猫に「家に入り❗️」と呼びかけると尻尾を膨らませながら飛んで帰ってきました。
うちの近所のブックオフ寝屋川店が明日で閉店で今マンガは半額、108円の本は7割引とかのセールをしてます。棚を見てますといい本なのに安いのがありますよね。例えば下村湖人の「次郎物語」は角川文庫で全5巻ですがたいてい100円とか50円とかです。バカではないんだがにぶい次郎が世間に翻弄される様子が面白くもあり気の毒でもあって素晴らしい作品です。友人のかなり年上の姉に好意を寄せて毎日その女のいる薬局に通っていて、女もまんざらでもない様子だったのに、実は女は東京の男と婚約していたし、その弟は次郎が姉に好意を持ってるのを承知しながら、隠して次郎をいたぶるんです。そんな中次郎は懸命に悪に染まることなく成長していく。向田邦子の「父の詫び状」も50円とかですけど、これほどうまく書ける人はいませんよね。宮本百合子の「道標」、この人はわりとちゃんとした家のお嬢さんなんだが、留学とかもして教養もあるのだが、例の共産党の宮本顕治とくっついて辛酸をなめることになる、その自伝的な作品で、非常に面白い。
「次郎物語」にせよ「道標」にせよ、時代の産物と言えるもので、今の日本でたとえかなり才能がある人だとしても、生ぬるい平和な世界では下村湖人や宮本百合子のレベルの作品は作れない。だって幸せなことに今は結核も治るし、丁稚奉公も基本的にはないし、アメリカとの国の威信をかけた戦争なんか当然ないし、機関紙を持っているだけで逮捕される非合法政党なども存在しない。幸せだが当然人間は薄っぺらくなるのは必然、これはどうしょうもない。