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古本屋日誌

2017-11-23 14:12:00

今日は昨日雨だったのにもかかわらず何故か寒くはなく、ただ風がかなりあって問題ではある。

先日八尾のお客さんから横山健堂の「新人国記」などをお譲り頂きました。明治44年の刊行で、江戸時代の人国記の明治版で諸国の国ぶり、性格を詳細に述べたもので第1巻は京都、大阪にそれぞれ70ページあまりをあてその中で「大阪は食い倒れにあらず」と主張してます。その根拠として和菓子はくだらないものが多くて東京の比ではない。刺身などのきちんとした料理は年に何回も食べない、下手したら一回もたべないこともある。とにかく大阪の人は食べる量が多いだけだ。ただ大阪の人は間食することが多くてそのために飲食店が非常に多い、それで食い倒れだと誤解されていたのだろう。京都も決して着倒れなどではなく、食い倒れ、着倒れがともに成り立つのは東京だけである。こういう意見なんですがまあ少なくとも明治時代の終わりには大阪は食い倒れだという通念があったことはわかります。でもりそういうてるわりにはええもん食べてはりませんなですよね。横山健堂は山口の人だし、東京やらいろんなところから大阪に出てきた人たちの感想が「大阪は食い倒れだなあ、食材が豊富だし、だしや醤油、味噌の工夫されているし、清酒は圧倒的にうまい」だったのではないか。つまり上方が食文化が他を圧していたことの現れと考えたらいいのではないでしょうか。

呉智英先生は今月発売のベスト新書の冒頭に大阪は食い倒れは戦後のものだとの主張を展開されて、確かにそういう面もあるのだが、一応明治時代にはすでに大阪は食い倒れだと主張されていたことだし、庶民の実生活をさしての言葉ではなく他の地方から来た人たちの食材や食文化に対する感想だと考えればちょっとあわないかなと思います。以前呉智英先生には大阪市史編纂所が出している「大阪の歴史」という雑誌をお送りして実は天下の台所というフレーズは江戸時代にはなく幸田成友などによって作られたものとなっていることをお伝えしたら、わざわざお葉書をいただき、さらにご自身が寄稿された太田出版の仏教雑誌を下さいました。ありがたいー