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古本屋日誌

2017-12-01 00:03:00

今日は金曜日で、明日明後日と郵便局がお休みで出荷できないのでまとめて出します。先日森田たまの随筆集をお客さんからお譲り頂きました。森田は北海道の生まれだが夫が大阪の人でその縁で東京にも大阪にも暮らしたことがあり、あれこれ細やかなエッセーを書いていることは周知の通りです。「秋茄子」を読んでいると大阪人の夏の過ごし方の話があって大阪の人は避暑をしない、夕方になるとどっと心斎橋などに繰り出す、もの凄い人混みなんだがその中でもまれていると何か清々しい感じになるという。どうですかな、人混みの中です清々しいて、よくわかりません。森田はその謎解きとして、心斎橋で見つけた迷子の髪型が子連れ狼の大五郎みたいで、すごく古風なのにおどろかされた、そういう昔が残っているのにハッとさせられて、清々しいといいます。うーん、そうおっしゃられても、 大阪に住んでる人間からしたら少しも驚くことではないので暑いままです。小泉八雲もそうでしたが大阪には古いものが残されてあるんだという意見は正しいのか?新阪急ビルのロビーや地下を埋め尽くすちょっとかわった色の大理石はなかなか壮観でしたが建て替えで消滅、堺東駅の高島屋へ向かう長いエスカレーターの大理石群はまた健在でなかなかこういうものは他にはないのではないか?あるいは千林の摂津河内国境沿いに残る本瓦葺きの邸宅、これは壮麗で重厚で目立ちます。あまり機能していない萱島までの高架複々線、寝屋川から萱島にいたる長大な輪中堤防。さらになぜあんなに完全に残っているのかわからないほどの富田林寺内町。


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