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古本屋日誌
今日は嫁と橿原神宮に出向いた。15万坪あるそうで、広大な敷地に玉砂利が敷き詰められて、10メートルを越える木製の鳥居が目を引く。
建物は皆新しいもので魅力はないな。(京都御所から移築されたものはある。)
外国人の観光客はほとんどおらず、地元の親子連れがちらほら。
巫女体験と称して、子どもに巫女装束や衣冠束帯姿を体験させるイベントや1時から蓬餅を無料で配ったりしている。
ここは、明治の天皇制国家づくりの一環として造営された神宮でしかないものなので、観光地としては無理があるわけだ。
また、ここに隣接する「神武天皇陵」なるものは、明治時代に元からあった村落を強制的に立ち退かせて造成したもので、そもそも古墳ですらなくでっちあげだ。
駅まで戻ってタクシーで今井町。
運転手の話では「外国人客は世界遺産中心に旅をしているので、東大寺やら興福寺、法隆寺なんかに集中するんですわ」という。
確かに今井にはほとんど外国人客は来ていないな。
しかしここは横600メートル、縦300メートルにわたって徳川時代からの街並みが500棟以上良く保存されていて、素晴らしいスポットなのだ。
クーラーの室外機や消化器は目立つので、茶色の木材ですっかり覆ってある。
また電信柱もコンクリートに茶色の着色、トランスも同じ色で覆って目立たないようにしている。
こういう細かい気遣いは、京都にはないよなあ。
今井はもともと綿花の栽培で財をなしたところで、その資金にものをいわせて、徳川時代には両替商や造り酒屋なども経営して、広く大名貸もやっていたのだ。
そのため諸大名が差し出した質種や財力の証である贅沢品が残っている。
たくさんの伊万里焼、浮世絵、骨董品、鍵盤がすべて象牙のピアノなんかもある。
京都にはそういう街並みはないし、日本全国探してもないんじゃなかろうか。
その中の一つ、高木家にお邪魔して、おばあさんからお話を伺った。
なんでも築200年を超えているそうで、黒光りする柱や横木、今もきれいに残るへっついさん、煙だしなど興味深い。
高木家では岡田准一が土方歳三を演じた映画『燃えよ剣』の撮影が行われたそうで、朝から晩まで一気にいろんなシーンを撮った。
「ジャニーズはね、サインとかはしないんですわ。転売する人がいるからゆうてましてな。せやさかいうちにもありませんねん。
あとね、写真も撮ったらあきませんねん。周りに目ぇ配ってる人らおってね、写真撮ってる人見つけたら『あかしません、消してや‼️』て強うにゆうて消さしてましたわ」