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古本屋日誌

2022-10-26 20:47:00

定年退職後古本屋を始めた人のことは気になる。

 

その一つが千林の京街道沿いにある「キーツ&カンパニー」だ。

 

最寄駅は京阪電車の森小路。

 

主人は元は高校の英語の教師だったが、55で退職し、自宅を改装して古本屋を始めた。

 

京街道に面した民家の一階の壁に床から天井まで届く何段もの本棚がセッティングしてあって、たくさんの本がある。

 

主人の好む英文学の原書が一番奥に、その隣に大阪の本、小林信彦、村上春樹、野坂昭如などの文学書、江戸、東京関連の本、映画や落語関係の本、太田和彦や坪内祐三のエッセイなどもある。そのほかカバンやブリキの看板、オモチャなんかもある。

 

店主に聞いてみた。

 

「千林て、年寄りが多い街ですよね、ここは時代小説とかの方が売れるよね」

 

「まあそやな、こんなもん年金あるからやっていけるわけで、なかったらとてもこないな形ではでけへん。

 

東京の中野とかな、吉祥寺とかな、中央線沿いなんかな、古本屋もなんぼでもあるし、ええ本揃えてるし、みんな買いにきよるんや。

 

それに比べたらな、千林はな、なんか劣ってるよな、つまり商売やりにくいわけよ」

 

「そら、東京はマスコミや大学、出版社を独占してるから、仕事で本をこうてるだけでしょ。

それにしても不思議なのはマスターは買い取りしてへんよね。しゃあーのになんでこんなぎょうさん本あんの❓

なんか秘密のルートあんのかな❓」

 

「そんなもん教えられるかいな」