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古本屋日誌

2018-08-27 11:38:00

8月16日の朝日新聞の三面に終戦特集の連載で忘れられた戦争という企画で朝鮮戦争に日本人が参戦しているというやつで例の掃海艇で魚雷などの捜索にあたって戦死者が出たというやつに加えて、陸軍の枚方製造所を払い下げられた小松製作所が1952年からしばらく米軍向けの砲弾などをフル生産して当時の金額で160億円の売り上げがあり元従業員の話として「このことはゆうたらあかんゆわれてましたんや」とのことだ。ほんまかいな。小松が砲弾や戦車を大量に作り戦場に送っていたことは誰もが知っていることで、そもそも引き込み線を使い片町線まで運んでいたし、戦車はむき出しのまま輸送していたから焼け跡の大阪の街を戦車が下関まで運ばれていく様子は多くの人が目撃していた。箝口令とか言われてもおいそれとは信じられないな。真偽のほどを朝日新聞は調査してもらいたいものだ。

だから朝日新聞もそういうわかりきったことをまた記事にするのではなく、小松に払い下げられる経緯とかは知りたいところだ。だいたい軍事工場の生産管理システムなどそう簡単に右から左に受け継ぐことはできない。だから小松が払い下げを受けたとなってるいるのは講和が発効して日本は軍隊を持てなくなったからとか、戦力の保持ができなくなったからとかいう書面上の理由があっただけだ。つまり小松は名前を貸しているだけの隠れ蓑で小松製作所とはいうものの、実は帝国陸軍枚方製造所であったということだ。

また45年の敗戦から52年までの軍事工場の管理体制がどうだったのかを知りたいところだ。7年もほったらかしにしておいたら施設は使い物にならないのだから、陸軍かGHQか小松かいずれかが次の戦争に備えて整備して、というより砲弾や戦車を作り続けていたはずだと思うのだがな。帝国陸軍は無傷の枚方製造所で最新の砲弾や戦車を作り、来るべき戦争に備えていたとしたら、なかなか先見の明があるし、そもそも終戦だという意識はなかっただろう。