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明けない夜は無い
大和市 南林間 Mellow-Yogaメローヨガです。
2024年、新しい年が始まりました。
今年の元旦は一粒万倍日と天赦日と天恩日が重なるという、三重に縁起の良いラッキーな日のはずでした。
天赦日:あらゆる障害が取り除かれ何をやってもうまく行く日だといわれています。
一粒万倍日:「一粒の籾(もみ)をまけば、万倍の籾を持った稲穂になる」を意味する縁起のいい日。
天恩日:「天の恩恵により全ての人が福を受ける」、とくに人生の転機となる行動がツキを呼ぶとされています。
しかしながら自然とは、かくも厳しく残酷なものだと改めて感じる出来事が相次いでおり、一日も早い復旧および、被害にあわれた人々に日常が戻ることを切に願います。
自分の心に、なるべく常に留めておきたい言葉というのがいくつかあります。そのうちの一つは
諸行無常
この世の中の事象というのは、変わらないものは何一つなく、常に移ろいゆくものだ、ということ。
ここ数年は、常々この言葉を思い出し、反芻する機会を自分にもうけています。
良いことが起きたとしてもその状態がずっと続くわけではない。
しかし、逆に
悪いことが起きたとしても、その苦しみがずっと続くわけではない。ことも意味しています。
諸行無常とは、世の中の存在の全ては常に変化を繰り返しており、同じ状態を保持することができないということを言い表していますが、この言葉を使った有名なフレーズが平家物語の冒頭ですね。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵におなじ。
『平家物語』第一巻「祇園精舎」より
【現代語訳】
祇園精舎の鐘の音は、「諸行無常」、つまりこの世のすべては絶えず変化していくものだという響きが含まれている。沙羅双樹の花の色は、どんなに勢い盛んな者も必ず衰えるという道理を示している。世に栄えて得意になっている者がいても、その栄華は長く続くものではなく、まるで覚めやすい春の夜の夢のようだ。勢いが盛んな者も結局は滅亡してしまうような、風の前の塵と同じである。
一度築き上げた安定や地位、権力などはそれが続くことを人々は願います。一度得たものへ執着し失うことを恐れます。失う恐怖や失った時の喪失感は私たちに苦悩をもたらします。
ごくごく平凡な日常や平穏な日々もある日突然、天災や感染症などにより一変するのを私たちの多くが経験しています。変化に戸惑い、失われたもの・奪われたものへの意識は私たちを深く苦しめます。
「この世は諸行無常、変化し続ける」という真理。時折、思い返すよう、心の留めておくことで苦しみを少しでも和らげてくれる手助けになる、と自分に言い聞かせるようにしています。