昨日は久しぶりに京都の友人と喋っていましたが、やはり今は店をオープンしなくて良かったなと。コロナとは別問題で保留していた店のオープンが、わずか2か月ほどでここまで状況が変わるとは・・。株をやっているような人でも読めなかった近未来を、調理師が読めるはずも無くオープンしていたらと思うとゾッとします。京都も中国人団体客がいなくなればバスツアー会社やホテルの宿泊などが減るまでは想定の範囲内だったでしょうが、ヨーロッパやアメリカからの個人旅行で民泊のような小さなところは壊滅状態のようです。当たり前ですが元々外国人旅行者が来る前提で投資しているので、こなくなればコロナが落ち着くまで一旦閉めるか廃業するしかありません。支払いに困るようになれば外食など当然節約の筆頭項目で、今はまだアルバイトで凌いでいると聞き災い転じてって感じです。自分も若い時はバブルの恩恵を少し受けましたが、失われた20年でずっと不景気で店をやるタイミングでは無いと。いったいいつになったら店をやるタイミングなんだと思い、前厄厄年後厄の3年間を過ごしてから満を持してオープンしたのが調度9年前です。明日から10年目に入りますが、アベノミクスのせいか気分だけは不況では無かった気がします。オープンしている店すら営業させてもらえない国もある世界的な出来事で、今がまさに一番オープンしてはだめな時期になってしまいました。自分もオープン準備していた9年前がこんな状態に激変していたらと思うとゾッとしますが、曲がりなりにも9年間続けて来れた環境に、実力や努力だけで無く運にも恵まれていたと謙虚さを忘れないようにしたいと思います。

昨日いつも見ているワインの番組で、大阪の福島あたりの特集をしていました。スペインのバル街を意識したような通りで、画期的なのは隣接したスーパーのお惣菜やワインを持ち込めることです。しかもグラス代や席料なども取らず、お惣菜も温め直してくれるとは目からウロコです。飲食の常識としては持ち込みは基本NGで、結婚記念で買った特別なワインとかでも持ち込み料やグラス代を頂くのが通例です。いったいどんなシステムで店側に利益があるのか詳しく説明はありませんでしたが、想像するに町おこしで市から補助があるなりスーパーからいくらかバックがあるとかだと。もちろん手ぶらで入ってもタパスなりハウスワインもあり、店側が持ち込みのみで営業していない事は説明がありましたが。こんなご時世なのでスペインにバル目当てで行くわけにも行きませんが、大阪駅からも近いので近くまで行けば是非寄ってみたいと思いました。テレビで知るだけですが万博公園跡や通天閣の辺りなど色々面白そうな所もあり、たまには京都を通り越して大阪まで足を延ばしてみてもと思います。子どももUSJのマリオパークが出来るのを楽しみにしているので、このコロナ騒動が来年には落ち着いてくれれば福島も含め卒業旅行で行きたいと思います。

今日中には何らかの方針が出されるであろうコロナ対策ですが、飲食店としては宴会や集まりを自粛するのはそろそろやめて欲しいものです。政府が言うと会社としても従業員に指示を出さなければならず、働き手も渋々それに従わざるを得ない雰囲気になります。嫁の職場でも何か罰則がある訳では無いですが、定年退職者を送る会や高校の同窓会すら中止になったそうです。当然それに伴う飲食も無くなるわけで、せめて換気の良い場所では集まっても良さそうな気がします。割と自分ではメンタルは強い方だと思っていますが、この状態が続くのはあまり喜ばしい事ではありません。イベントなどほとんどが中止になり子供の楽しみも減っていますが、アンパンマンショーも無くなったのはぬいぐるみを子供がベタベタ触るのでリスクを考えての事だと思います。登場人物全員が実はバイキンマンだったなんて笑い話にもなりませんが、インフルエンザと同じように長い目で付き合っていくのが当たり前になる世界になるのかも知れません。得体が知れないのが怖いだけで、何年か後にワクチンが出来れば落ち着いてくれると信じています。

消費税とコロナのダブルパンチで相変らず暇な日が続いていますが、下ばかり見ていても仕方ないのでしばらく静観するしか無さそうです。昨日知り合いの美容師と話していて誰か良い子を紹介して欲しいと言われましたが、調理師と比べても美容師も中々厳しい世界で希望者は居ても長続きしないそうです。長時間労働で薄給なのは良いとしても、将来性が無いと若いうちに転職するのが普通の考えです。週一の休みを研修に充てたりタイムカードを打ってからの自主練など、調理師と通ずるものがありますがその先に席があるかどうかです。若いうちは修業と言う名で耐えられても、家族が出来て給料の一部を現物払いの高級シャンプーでは嫁も面白くないでしょう。調理師でもチェーン店の店長などは25歳くらいから任されますが、クリスマスケーキの買取りやシフトの調整などでどんどん疲弊していきます。調理師も最終的には独立するか料理長になるしかありませんが、美容師の場合調理師長的な立場で40代、50代でいられるなんて余程その人の技術にお客様が付いている人だけでしょう。逆に言えばそんな人ならお客を連れて店を出すでしょうし、コンビニより美容院の数が多いと言われる理由も何となく分かります。将来独立して店を出し行く行くは3店舗4店舗なんて経営能力のある人は、他のジャンルでも多分成功する人だと思うので余程美容の仕事が好きで無い限り続ける理由がありません。美容師も調理師も専門学校があり若者に夢を持たせたいのは分かりますが、現実はそれで食べていける人がどれくらいいるかや離職率なども入学前に教えてやれないものかと思います。親戚も美容師をしていましたがやはり長くは続かず、今は事務仕事ですが時給換算すれば4倍近い効率の良さだと。しかもただ働きや休みを返上しての修業などあるはずも無く、言い方は悪いですが大した努力も無しに1か月目から3年やった美容師より給料が良いなんて本人の努力不足以前に、構造的な問題でその辺りは調理師や保育士も希望者はいれど生活を考えれば・・・みたいな思いだと。嫁に聞くと学校の先生も医者も長時間労働で寝る間も惜しんでと言っていますが、金銭面や福利厚生が全く違うので離職率は比較にもなりません。俺もタイムカードを打ってから夜中の2時3時に寝る間も惜しんで仕込みしていたよと嫁に言っても、それは人を増やすなり残業を付けてもらうなりシェフやオーナーと交渉しないとと言われる始末。修業の身でそんな事を言ったら辞めてしまえと言われるのがオチで、やはり仕事に対する捉え方が職人と会社員では少し違うように感じました。

昨日は月に一度嫁と休みが合う日で、子供は幼稚園なので久しぶりに2人で遅めの外食です。気になっている新規のフレンチと行きたいところでしたが、定休日が同じなので縁が無くいつもの鶏白湯です(笑)。ここ一年ほどで30回以上は通っている個人的には天一越えの完成度で、大量の脂を処理出来なくなった老体の自分にはこってりしているのに胃がもたれない鶏白湯は助かります。楽しみにいざ食べてみると、麺がモサモサして喉を通りません。これはパンを焼いたときにもたまにありますが、小麦粉に火が通っていない独特の食感なのはすぐに分かります。麺を湯がかずにそのまま食べているような食感で、店主に言おうかどうかかなり迷いました。15時過ぎだったので他にお客さんがいなかったのと、麺を湯がいていたバイト君が休憩で外に行ったので、クレームとかでは無く言ってあげた方が良いだろうと親切心で言う事にしました。スタンプカードの数から自分が常連なのもバレているし、いつもと違うと言えば聞いてくれると思っていました。聞けば自家製の麺の太さが安定せず最近細くなるので、湯で時間を50秒から40秒に減らしたてバイトに指示したと言っていました。それプラスでランチタイムが終わり茹でるお湯が目減りしたので、空焚きにならないよう水を入れたばかりで再沸騰していない所に麺を放り込んだのが原因のようでした。元々スープの出来が気に食わないと一旦店を閉めて東京に修業し直すようなラーメンバカなのは知っているので、食べずに残して無言で帰られるより言ってくれる方が余程助かりますとスグに新しいラーメンを作り直してくれました。自分も同じで料理を残された時はあれこれ悩んで迷い込んでしまいますが、はっきりどこが悪かったのかピンポイントで指摘してくれる方が楽で助かります。ラーメンに命を懸けているような人なら尚更言ってあげる方が良いですが、他のお客さんがいる前で恥をかかすような事はしない方が良さそうです。嫁が子供から何故パパと結婚しようと思ったのか聞かれたと、自分も嫁に聞いた事が無い質問を恐る恐る本人に聞いてみました(笑)。正直嫁の知り合いは医者や社長や先生や家が4つあるような人ばかりで、金銭的には困らずセレブな生活が約束されているようなものです。ただ嫁に言わすとどいつもこいつも面白くないと(笑)。お金なら自分で稼げるけど自分に無い物は出てこないらしく、朝から晩まで一日中どうでも良い話を喋っている関西人を気にいってくれたようです(笑)。昔の男尊女卑も田舎ではまだまだ残っていて、一人暮らしていて家事全般出来る自分は、実家から出た事が無い福井の金持ち長男より光って見えたのかも知れません。後は仕事への取り組み方も職人気質をリスペクトしているらしく、長くケンカしないでいるには相手の何か一つでも尊敬できる部分が無いと貶しあいばかりになりがちです。ちなみに嫁の良い所も全部伝えておきましたが、一番は良い意味での見た目と中身のギャップだと褒めておきました。ワイン会などで全く面識のない若い女子とならワインの話で適当に間が持ちますが、ふとした会話からプロレスファンと聞いた途端ギャップ萌えで前のめりに盛り上がってしまいます。身長が150㎝も無い女子が実は単車に乗っていて夜な夜な峠を攻めてるとか、意外性があればその人に興味が沸くのは自分だけでは無いと思います。嫁は見た目が派手で宝塚の男役やキムタクや報道ステーションのメインキャスターに似ていて、どこにいても目立つある意味美人と言うよりはイケメンです。その割りにはシーマンやぷよぷよやドラクエなどゲームにも詳しく、虫博士かと思うくらい図鑑を読み込んでいて女子には珍しく虫を怖がらないのもギャップ萌えだと褒めて円満に収めておきました(笑)。お金も確かに大事でケンカの原因になりがちですが、一緒に暮らしていると些細な事の方が積み重ねになってしまいます。靴下を脱ぎっぱなしとか食べ終えた洗い物をシンクに運ばないとか、はたから見たらどうでも良い事が気になりケンカの理由になってしまいます。お互いリスペクトして尊敬出来る相手でいられるように努力しないと、今のご時世熟年離婚なんてどこにでもある話なので、捨てられないよう生活態度に仕事にお喋りに努力しようと思います(笑)。