例年より雨の多い8月でしたが、危険な暑さの日はその分減って体力的には楽でした。このご時世なのでお盆の集まりや団体イベントをお断りした割に忙しく過ごしましたが、コロナ前の売上に比べれば大した事はありません。忙しさも夏の暑さと同じで、体が慣れてくれば後は追われるだけです(笑)。今の若い子は勘が良いので自分等の若い頃より成長が早く、ユーチューブで魚の下ろし方から肉の火入れまで何でも何回でも見る事が出来ます。専門学校でも同じように映像で勉強する事もあれば、先生が実習で今日のメインを作ってから真似をする事もあります。ただし実習は6人位の班での分担作業なので、一回見ただけで1人で全てマスター出来るハズもありません。卒業するまでに基本的な事、ニンジンのシャトーにオムレツにコールスロー、和食なら三枚下ろしに桂剥きにだし巻きが出来るだけで現場に放り込まれます。そこからが本人の勝負なので、今は専門学校に行く必要も無いような気がします。専門学校を卒業しないと調理師免許が取れないと疑問に思っても、今ならネットで直ぐに調べて終わりです。現場で蹴られ殴られ鍋が飛び交うなんて論外ですが、仕入れや仕込みの段取りとオーダーのこなし方だけはやっておかないとパニックになるので必須です。逆に言えば知識や技術は自分で後から上げられるので、若い時はやはりどこか名店に飛び込んで鉄火場の空気を味わっておいた方が良さそうです。自分も祇園祭や大文字やクリスマスや正月を経験して来たので、どれだけ忙しくなっても後は体力と勇気さえあればケ・セラ・セラです。

雑誌やテレビに取り上げられるのも良し悪しで、その一時だけ忙しくなっても疲れるだけです。聞けば電話の問い合わせが鳴りっぱなしの割に、実際の予約には繋がらなかったりドタキャンが増えたり。その度にキャンセル料の説明足らずで揉め事になったり、パチンコでたまたま得たあぶく銭を握りしめた冷やかしみたいな輩が来たり大変だそうです。自分もオープン当時は宣伝になるならと積極的に出ていましたが、結局その辺りに来た方はまた新しい店が出来るとそちらに流れて行きます。以前なら仲間内の先に行って来た自慢で済んでいましたが、ネットの世界がレポーター魂に火を付けているようです。今でもメディアの取材は来ますがあっちもコロナで県外にも行けないのか、格好のネタにされてもこちらに何のメリットもありません。結局地道にコツコツとやるのが一番で、来てくれる人はずっと来てくれるし、探してでもどれだけ遠方でもそこは少し誇りに思っても良いのかも知れません。この前久しぶりに行ったフレンチも以前とはスタイルを変えられたようで、12時にヨーイドンスタートの9300円のコース1本で子供のメニューもありませんでした。うちの店もお子さまランチは予約のみですが、味付けは大人と同じでもポーションと値段を半分にして対応しています。結局子供のコースもほとんど自分が食べましたが、これをどう考えるかはオーナーによって意見は別れると思います。食べ歩きで行った東京のフレンチは子供NGでしたし、金沢は味付けは大人と同じお子さまランチを出してくれました。どちらも誰もが知る有名店ですが、今回の店はまだ試行錯誤で決めかねているように感じました。人が沢山雇える店ならどんなメニューでも出来ますが、個人店ならオーナーの考え方次第で誰に文句を言われる必要もありません。嫁の誕生日を口実に自分が行きたかっただけですが、子供は早く帰りたいの一点張りでは次に繋がる事は無いような気もします。

この前はいちじくの赤ワイン煮を作ったので、今回は白ワインで梨のコンポートにしてみました。

17時スタートの20時閉店で了解してもらいましたので、段取りよく料理を出していこうと思います。普通のペースで出せれば90分でデザートまで行けるので、19時にアルコールをストップするまでに30分は余裕があるはずです。そこから1時間ゆっくりしてもらっても20時なので、3時間あれば飲食するには十分の時間だと思います。平常時ならそこからダラダラと飲んだり、店を変えて飲み直したりですがこのご時世では早く家路についた方が良さそうです。

赤ワインにつけ込んで粉を打ってリソレして3時間煮込むのは何のストレスもありませんが、120グラムに小分けして真空して洗い物を終えるまでが中々の手間です。