今日のランチの一品です。小吹にしたジャガイモにビネガーを加え、ハム、きゅうり、ゆで卵、マヨネーズで味を調えます。ジャガイモを燻製してから作ると白ワインのアテにぴったりですが、今回はランチのポテサラなのでクリームチーズを入れてみました。まろやかで子供にも食べやすい味ですが、黒コショウでパンチを効かせれば大人も満足してもらえると思います。

勝山から届いたジャガイモを４個分使い、朝からガレットを焼いています。お好み焼き位の大きさで焼いて冷めてからカットしておき、提供する際にトースターで温め直します。

勝山野菜には本当に助かっています。この前東京にも雪が降りましたが、気候が荒れて野菜の高値安定になっています。人参が３本258円、キャベツ1玉398円、プチトマトグラム158円など滅茶苦茶な値段です。勝山からは色んな野菜がもらえますが、洋食では使いにくい食材もあるので使えるものはフル活用しています。ニンニクの香りをオリーブオイルに移し、パプリカをソテーしてトマトソースで軽く煮込みます。バスク地方のお惣菜で、生ハム、チーズ、バケットなどあればワインのアテにぴったりです。

小さい頃からコックに囲まれていたので自然と自分もこの世界に入りましたが、高校生時代に皿洗いのバイトをしていた頃にチェッカーズのブームがありました。若いコックは自分も含めてみんなフミヤのような前髪で、お客さんの料理に髪の毛が入っているとクレームが多くありました。今では考えられませんがそれを聞かされたコック側が逆ギレして、暴れまわったり仕事をボイコットしたり客側に突っかかっていったり・・・。こんな人間にだけはなりたくないと、取りあえず自分は短髪、あるいは坊主頭にするようにしました(笑)。アレルギーの知識も無い輩ばかりで、賄いのソバが食べられないと言うだけで嫌やったら食わんでいいと不機嫌になったり・・・。時代なのかサービス業でそんな人はいなくなり、パチンコ屋さんでもいらっしゃいませと言う時代です。良い時代になったかと思いきや、今度は客側のクレーマー問題が色々あるようです。便利になり過ぎたのか過剰サービスなのか、注文してから1時間で配達されるネット注文もあるようです。結局そのしわ寄せはどこに行くかと言うと、配達配送の人間やサービス業界の慢性的な人手不足になります。お客様は神様なんて言葉は完全に間違っていて、商品を買ってくれる人がいるから売れるし、逆に売ってくれる人がいるから買える五分五分の関係が自然です。仮にもし本当に客の恰好をした神様だとしても、日本には信仰の自由があるので崇めるかどうかは受け手側が決める事です。今ごろあの先輩コック達はどうしてるのかふと考えます。逆に客側でクレーマーになっていたら笑えませんが・・・。

専門学校に行っていた時に和食の先生が出し巻きを教えてくれましたが、洋食のオムレツより誤魔化しが利くから簡単だと言っていました。和食の先生が言うから成立しますが、洋食の先生が言えば今の時代なら炎上モノです。ましてや素人が寿司の修業は無駄な時間とか、やった事の無い人間が言うのは違和感しかありません。炎上商法に見事にツラれていますが(笑)、自分はどちらが簡単かと言えばどちらも簡単で難しいです。別にオムレツを巻くのが得意だから洋食に行った訳でも無いし、ホテルのバイキングみたいに毎日毎日オムレツを巻いているわけでは無いので人によると思います。練習すれば出来る事は増えていくので1個だけではなくて、いろんな料理が並行して上手くなっていきます。「得意料理は肉じゃがです」って言う人はまず料理をしていないと考えて間違いないです(笑)。肉じゃがレベルの料理が得意なら煮物の基本が分かっているので、煮物あるいは和食全般が得意と言うはずです。