満席と行っても予約のお客様しか取らないので楽な物で、年齢的にも以前のように来る物拒まずみたいなスタイルは辞めました。それでもメイン料理のチョイスがバラバラなら8種類同時に作ることもあり、終わってからヘトヘトのボロボロに疲れる日もあります。予約人数が多いときは必ずお勧めメインを準備しておき、例えば今日なら天然マダイが入っているので朝から捌いています。メインを選んでもらう楽しさは残しておきたいと思っていますが、これも年齢を重ねていけば頭も衰えていくので無理になるかも知れません。今現在は4種類の定番メインに加えて、追加料金にはなりますが他に14種類のメインを準備しています。焦がしたり逆に火入れが浅くては話にならず、いずれは値段の違うコース料理の3つで魚と肉は1種類で組み合わせてみたいな感じになると思います。今のところオーダーを聞き間違えたり忘れていたり、調理上のミスなどは一度もありませんが加齢による衰えだけが怖いです。いずれは店を辞め引退する事になるでしょうが、店を辞めても料理は趣味でずっと続けていくのは間違いありません。食べ歩きも体が健康なら何でも食べれるしどこにでも行けるでしょうが、それまで行くのに困らないくらいのマネーを残しておかないといけません。大人を楽しむためにはある程度自由に使えるお金は必要で、これからも身を粉にして働こうと思います(笑)。

久しぶりに嫁と休みが合ったのでイタリアンに行って来ましたが、コロナが流行りだしてから行っていないので3年ぶりの来店です。相変わらずの仕事量に頭が下がる思いですが、それにしてもリーズナブルな値段で流行るのも分かる気がします。食材自体は値段が値段なので大根やブロッコリーなどどこにでもある野菜ばかりですが、その分手間暇掛けて仕込みしてあるのも見れば分かりますし、メインのパスタは下手なラーメンより熱々で湯気がチンチンに出ています。味云々は好みもあるので人それぞれで良いと思いますが、プロの料理人に料理を作ってもらうと幸せな気分になります。例えばコロッケやポテサラなど購入すれば僅か1分ですが、いざ作るとなると皮を剥いて蒸かしてマッシュして冷まして具材をカットしてと、何十と工程があり大変なのは料理をやらない人でも分かると思います。前菜に予算が掛けられず似たような物ばかりになるのは友人から聞いた事がありますが、その分仕事量でカバーしてあるのが見て取れるだけに感動とまでは言いませんが素直に嬉しい気持ちにはなります。自分も頑張って仕込みしようという気になり、刺激も貰えて久しぶりに2人きりの食事でデート気分も味わえました(笑)。

この時間までに予約の電話が鳴らないと、気候もありますが大抵が暇な日になります。昨日は家族で来られた親戚のおばさんと少し話す時間がありましたが、流石に元学校の先生だけに博識で楽しい時間が過ごせました。息子さん二人も優秀で蛙の子は蛙なのか本人の努力なのか、六大学を出て上場企業へと絵に描いたようなエリートコースです。自分は18歳で高校を卒業した時にこれから定年の60歳まで42年も働くのかと、気が遠くなるような嫌な気になり当時はあえて就職しないフリーターみたいな道も考えたものです。結局一度専門学校を挟むことで調理師で生きていく気構えも出来ましたが、考えてみれば後6年で遙か遠くに感じていた60歳になる自分がいます。今となっては60歳どころか65歳、70歳と働けるだけ働きたいですが、辞めるときは糸が切れたようにパタッと辞める気がします。今は苦にならない仕込みや調理が苦痛になったり、脳も含めて体力的に持たないと思えば引退時期は自分で決めたいと思います。18歳の時に調理のプロになる以外にあと二つ候補があり、年齢的に一つはもう無理ですがあと一つは65歳からでもプロになれるので、もう一つの夢を叶えるためにも今は頑張って働こうと思います。

予約のお客様の段取りです。常連様ですが新規の方でも同じように、フラットな精神状態で仕事に取り組むようにしています。

ランチを終わらせて落ち着くのが15時半で、その後昼飯となれば開いている店は限られています。いつものラーメン屋に遅めの昼ご飯に行くと、オーブンして1〜2年の鍋の店がもう閉店です。コロナの助成金支援が無くなるタイミングでの閉店ラッシュが、今から年末に向けてこれからも増えそうです。辞め時としては良いタイミングだと思いますが、自分は個人店なので明日辞めるも10年後に辞めるのもある意味自由です。宣伝も無しで予約の電話がなる間は、まだヤレルのかと思っています。