数年前にフランスで三星レストランを二軒食べ歩きに行きました。まるでベルサイユ宮殿のようなラ・ムーリスとビストロチックなランブロワジー。味に関しては自分が偉そうに語る事は出来ませんが、どちらも素晴らしかったのはサービスの気配りでした。カタコトのフランス語で喋る自分を不安にさせない接客で、向こうもカタコトの日本語で話しかけてくれたり、記念にメニューをくれたり、食べきれ無いプティフルをテイクアウトしてくれたり。料理もサービスも超一流でした。逆に観光地のカフェやビストロなどは嫌な思いをした店もあります。料理うんぬんより、サービスの嫌な思い出しか無いのは残念でしか無く、違う店に入れば良かったと後悔しています。もちろんフランス語がもう少し流暢なら違ったかも知れません。自分自身もたまに接客に出ますが、お客様が不快に思われないようにと気をつけています。

クリスマスの事を考えていたら、自分が初めてレストランにクリスマスディナーの予約を入れた店を思い出しました。たしか木屋町御池を下がったビルのブルーマ55だったと思います。当時はバブル真っ只中でもあり、フランス料理もかなり人気がありました。ただ敷居が高いイメージがあり、二十歳前の自分には勇気がいる行動でした。初めてのフレンチを何故その店に選んだのかと言うと、当時(四半世紀前)(笑)としては珍しくお箸で食べられたからです。カジュアルで堅苦しく無く、アットホームな雰囲気は緊張をほぐしてくれるのに充分でした。マニュアル本で勉強して行ったワインのホストティスティング、テーブルマナー、ウォーターボールの水は手洗い用なので飲んではいけません(笑)等々・・・。あの時いつかこんな堅苦しく無い店が出来たらと思っていたのが、無意識のうちに自分の店にもつながっているのかなと思っています。

カレンダーの項目には24日は定休日になっていますが、もちろん営業いたします。毎週月曜日定休日の設定が外せなくて、ややこしくて申し訳ありません。今年は暦的にどうなんかなと思っています。22の土曜日か、意外に月曜日休みの人も多いので23の日曜日か、やはり24のイブか・・・。とにかく来てくれたお客様が楽しんでもらえたら嬉しいです。

福井市でも昨年、おととしとドカ雪が降りましたが、今年は寒くなるのがあきらかに早く感じます。12月上旬が結婚記念日なんですが、あの年は普通にレストランウェディングのウッドデッキで指輪の交換や、記念写真を撮っていました。今あの格好で外に出たら確実に死ねます（笑）。ニュースでは北半球は世界的に寒いとか、プチ氷河期とか言っていますが。寒いと人間生産性が落ちるし、外に出かけるのもイヤになります。朝から空がどんより薄暗いと気分も優れず、まるで夜みたいです。福井の人はホントに我慢強いなと思います。寒い寒いと騒いでも仕方無いから、逆にあきらめ根性みたいなアピール下手みたいなところもあって良し悪しですが・・・。

今回でシフォンは辞めて別のデザートを作るつもりですが、何故か今までで一番キレイに焼きあがりました(笑)。同じレシピで同じように焼いているのに不思議なもんです。そう思うとパティシエの作るデザートの安定感はたいしたモノだと思います。自分は感覚とか感性で動くタイプだと言うのは聞こえが言いですが、ようは人生見切り発車です(笑)。性格的にグラム単位の仕事はあまり好きではありません。パティシエのような芸はありませんが、コックの作るシンプルなデザートは間違いなくウマいです。