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2019-07-15 07:31:00

訪問をありがとうございます。

 

5月の連休以来、久々の連休となりましたが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

 

私は、昨日、これからの社会について、サイト構築を交えながら真剣に考えていました。

 

まぁ、私ごときが真剣に考えたところで、社会が大きく変わるとは思えませんが、それでも何もしないよりはましかなぁ~なんて思いながら思考していたわけで☆

 

※今日の更新内容は、介護保険に関わるめちゃめちゃ面倒くさい内容なので、興味のない方・お忙しい方はスルーしてくださいませ。

 

 

 

 

さて、何度も書いていますが、私は『本来の人が持つ善意を最大限引き出した社会とはどんなものか?』に興味があり、『その善意を次の世代につなぐこと』を目標としています。

 

会社を興したのも、それがきっかけです。

 

そのため、ケアマネジャーという職業を社会に認めて欲しいとか、そこで儲けたいとかで起業したというわけではありません。

 

そうではなく、この業界にいる中で、断絶され孤立化した社会に本気で危機感を感じていて、地域包括ケアシステム(今は共生社会)構築を『お互いさま』で育んでいきたいから開業した、というのが始まりです。

 

そんなわけで、決して『私、ケアマネジャーという仕事にすごくやりがいを感じているんです!(キラキラ)』みたいなものは、ありません。

 

社会全体のお互いさまをつくる事業に取り組むために、ケアマネジャーの事務所を開設した、という感じなので・・・。

 

そして、ケアマネジャーという仕事に就いているからには研鑽することは必要と感じていますが、『何が何でもケアマネジャーという地位を社会に認めさせるぞ!』みたいな気概はありません。

 

ケアマネジャーの社会的地位向上に向けて取り組んでいる方々を尊敬していますが、個人的には、社会が良くなるためであれば、ケアマネジャーには固執していないという考えです

 

また、私が職能団体や区の活動に貢献しているのは、税金というものをいただいて事業を行っているため、そのお返しです(なぜお返しかは長くなるので割愛)。

 

で、計画から8年、開業から6年目にして、ようやく想いと時代がマッチして、本格的に活動できる時期と機会がきました☆

 

そんなわけで、前置きが長くなりましたが、今日は、『どうして善意とかそういうものを次世代に繋ぎたいと思ったのか?』と、『どうすればそれが実現できると思っているのか?』について、書かせていただきます。

 

 

 

 

そもそも人が生きる意味って『次の世代にらせん状に進化を繋いでいくこと』だと私は思っています。

 

これは、いわゆるテクノロジーの進化とか、そういうハード面だけではなく、精神的な意味も込めて、です。

 

介護の業界に入ったきっかけは、高校3年生の時に顧問から勧められたからという、なんとも締まりのない理由ですが、2年間短大で学び、3年間老人保健施設で就労した後、介護保険が始まりました。

 

この介護保険制度(もとい、新ゴールドプラン)、始めてその趣旨等を知ったときは、『次の世代にらせん状に進化を繋いでいくこと』の具現化を期待していた私です。

 

しかし、どうも議論が進むにつれ、本質と離れていく傾向が強くなっていると感じたわけで。

 

初めに感じた違和感は、『何で保険事故に使うものを“サービス”と表現するのだろう?』という疑問でした(対等感を出すためと言うことですが、これは今でも私の中では腑に落ちていません)。

 

そして、次に感じた違和感は、亀井サンの『家族がいる人は家族が介護することが正しい』という理由で、生活援助が家族のいる世帯から外されたことです。

 

保険だから必要な支援を行うという考え方は分かりますが、本来の目的が『社会的入院』を減らすために創られたとするのであれば、何か矛盾してないか?と感じていて。

 

核家族化して、さらに共働きで介護をする人がいないから社会的入院が増えているのに、『家族がいるから』という理由で介護保険の利用に制限をかけたら、本末転倒だよね、と思ったわけです。

 

 

 

 

そんな疑問を抱きつつ始まった介護保険ですが、『走りながら創っていく』と言うだけあって、まぁ~、たくさんの迷走をみせてくれました。

 

とはいえ、これは国だけの責任ではありません。

 

細かい内容は割愛しますが、要は『サービスという名前で民間導入を進める→人口構造から儲かると思った企業が参入→制度の弱点を突いて利益を拡大→思ったよりも給付率の伸びてしまった状況に国が規制と報酬単価減額→運営の厳しい企業は、さらに網の目をくぐってくる→国のより厳しい規制と報酬単価減額』が続くわけで、結果、介護保険はツギハギだらけのヘンテコなルールがたくさんできてしまいます。

 

そして、現場は『それおかしいだろ!』と思っても声を挙げる術もなく、また、声を挙げる努力も怠ってきた部分があると、私は反省しています。

 

そんなわけで、介護保険創設から10年目で、私は『あぁ、このままこの制度で働いていても、大局的に社会へ貢献はできない』と、現状の介護保険制度ではなく、それ以外の社会全体に対してのアプローチを考えるようになりました。

 

 

 

 

そして、改めて真剣に『どうしたら今後の社会が良くなるかなぁ~』と考えた時、日本人の超孤立化と過剰な国家依存気質を変えない限り、どんな制度を創っても、どんなに公費や保険料をつぎ込んでも、きっと根本解決には至らないと思いました。

 

で、考えた結果、国が地域包括支援センターを創ったときに本来想定していた『軽度者の総合事業移行』が進められるので、その時に、軽度者(と呼ばれる方々)を地域住民がお互いさま精神で助け合うことができれば、多分恐らく現在の介護保険に関する課題は、ほぼ解決すると考えたのです。

 

現代の社会では共同体を構築する術は地縁が最適で、地域住民が必要に駆られてでもつながりを再構築することで、国のシステムに対する過剰な依存は軽減し、地縁が育まれれば安心できる居場所が持てる(向こう三軒両隣の緩いバージョンです)。

 

これに、現代のテクノロジーを絡ませて、リアルとデジタルの両面から緩やかな縁を育むことができれば、孤立化した状態からでも大きな負担なく、人々の精神的安心は確保できるのではないかと思ったわけです。

 

また、(いわゆる)軽度者が介護保険から外れれば、介護報酬単価は上がると思ったのです(1,000円を100人で分配するより、1,000円を10人で分配すれば、一人あたりが得られる単価は上がるよね、という考え)。

 

つまり、棲み分けをすることで、地域は地縁を通じて人の精神的安心感と治安を向上し、介護専門職は浮いたお金で報酬単価を上げることで待遇改善が図れ、本当の意味で専門性を発揮できるのではないかと思ったのです。

 

 

 

そんなわけで、2年かけて会社を円満退職し独立したわけですが、初めは、地縁づくりに参入する部分で、試行錯誤ばかりしていました。

 

開業当時直近の包括にいた主任ケアマネさんと、4年前に知り合った地域のWさんとの出会いがなければ、私は多分、ここまで地域活動を進めることはできなかったと思っています(そのくらいひどい迷走っぷりでした)。

 

そのほか、皆さんにたくさん助けていただきながら、ここまでやってくることができました。

 

本当にありがたい限りだなぁ~と思うし、私はついていると思っています。

 

というわけで、今週から、サイト構築に向けて本格稼働し、7月下旬からは取材をガツガツ進めていきます。

 

2025年まであとわずかですが、できることを精一杯進めていきたいと思いますので、これからもご協力のほど、よろしくお願いいたします☆


2019-07-14 08:11:00

訪問をありがとうございます。

 

昨夜帰宅後、久々に夫と長女を観察していて、びっくりする場面に出会いました。

 

・・・というわけで、今日は、夫と長女の話を書かせてください。

 

 

 

 

昔から長女は夫の趣味をマネする癖がありました。

 

3歳の頃は夫と『8時ダヨ!全員集合!』を観てハマり、クリスマスや誕生日プレゼントはドリフのDVDを希望するほど毎日観たり、小学校に入ると、夫と一緒に深夜のプロレスを観るようになり、『国立競技場に行きたい!』と言うくらい夫と何でも共有し、二人で楽しく毎日を過ごしていました。

 

 

 

 

その夫の後を追っかけていた娘との関係が逆転したのは、長女が小学校4年生くらいの時です。

 

ある日、帰宅すると、夫と長女がEXILEのダンスを『完璧』に踊っていました(あ、夫と長女は運動神経が抜群に良いのです)。

 

・・・皆さん、想像してください。

 

クタクタの状態で家に帰り、居間のドアを開けた瞬間、二人が満面の笑みでダンスを踊っている姿を・・・。

 

 

 

 

その姿が、あまりにも楽しそうで、帰宅直後にも関わらず乱入した私☆

 

その結果は・・・全く踊れませんでした(気持ちはついていけたけど、身体がついていかなかった・・・)。

 

その後、こっそり練習を重ねて、少しだけ踊れるようになったので、長女と夫を誘ったら、

 

『 も う 興 味 な い ん だ け ど ・ ・ ・ 』

 

と言われてしまい、関心がまたプロレス観戦に戻ってしまっていた二人でした。

 

 

 

 

そして、あれから2年近くが経ち、そんな出来事すら忘れていた昨夜、私はもっと恐ろしい姿を目にすることに・・・。

 

入浴後、居間に行くと、夫と長女が

 

 

 

 

満 面 の 笑 み で K - P O P の ダ ン ス 

 

 

 

 

を踊っていました。

 

 

 

 

し か も 、や っ ぱ り め ち ゃ め ち ゃ う ま い 。

 

 

 

 

いやね、良いんですよ。

 

趣味は人それぞれだし、二人が幸せならそれでいいのです。

 

そう思いつつも、43歳になる中年おっさんが、満面の笑みで少女ダンスを踊っている姿は度肝を抜かれます。

 

しかも、Tシャツに半パンです。

 

もう、本当にダンスはうまいのですが、それ以前のビジュアルに問題がありすぎだろ!!!

 

良くテレビとかで、おっさん風の男性がとても上手なダンスを披露するというお笑い芸人さんがいた記憶がありますが、正にあれを地でいっているのです。

 

そして、お笑いというのは、他人様が披露しているから無責任に笑えるが、自分の伴侶が楽しそうに披露している姿は、いろんな意味で胸がドキドキすると言うか、なんだか不思議な気持ちになってしまった私でした。

 

 

 

 

こんな夫と知り合って22年、結婚して16年が経ちましたが、私は彼の怒った姿は2回しか見たことがありません。

 

そして、けんかは一度もしたことがないのです。

 

なぜなら、彼は常に笑っているから☆

 

 

 

 

私がどんなに不機嫌で彼に当たり散らしても、独りで自分の世界にこもっても、突然思い立って『旅行に行こう!』と言っても、マシンガントークをしても、いつもニコニコしています。

 

彼は幸せ感度が高いのだと思うのですが、どんな出来事の中にも楽しさを見つけ、そこに気持ちをフォーカスして楽しむことができるのです。

 

その後、こんな人がいるから私は今の活動を行えるんだなぁ~と、長女から『お父さん!もっと笑顔で!!!』と指導されている夫の姿を見ながら、なんとも言えない感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

そしてそして、私は良いお母さんとか良い妻ということは全くできていませんが、自分の描いている夢を追いかけていて、それを『あ~、そういう世界いいねぇ。陽子ちゃん頑張ってね』と言ってくれる夫や、長男・長女・次男に支えられて、様々な活動を続けることができているんだなぁ~、と、改めて感じました。

 

そして、夫に感謝の気持ちを伝えると同時に、『ぎっくり腰だけは気をつけてね』と言った私でした☆


2019-07-13 07:38:00

訪問をありがとうございます。

 

今日はお昼から職能団体の中規模研修お手伝いがあります。

 

三鷹という地域で、決して自宅からは近くはない…というか2時間近く片道にかかるのですが、受講者の方々が満足できる研修となるよう、裏方を精一杯務めたいと思います。

 

 

 

 

さて、昨日、介護保険の次期改定に伴う内容を整理しましたが、そもそもの介護保険の財源について、皆さんはどのくらいご存じなのかなぁ~、という疑問にぶち当たりました。

 

・・・というわけで、今日は、介護保険の財源について少し書かせていただきます(昨日は詰め込みすぎたので、今日は軽くまとめます)。

 

 

 

介護保険について一番心配されているのは、団塊世代が75歳以上になる2025年までに、介護費用が急増しないよう整備できるかです。

 

じゃあ、実際の介護保険の財源はどうなっているのか?というと、国(25%)、都道府県(12.5%)、市町村(12.5%)、65歳以上の方(23%)、40~64歳の方(27%)という負担で成り立っています。

 

ざっくり書いてしまうと、『50%は税金、50%は保険料』というわけです。

 

で、ですね、何が悩ましいって、高齢者が急増したわけではないのに、介護保険の総予算(自己負担含む)は、16年の間に介護保険創設時の3倍に膨らんでいるのです。

 

※制度創設時の2000年は約3.6兆円だったのが、2016年度には10兆円程度まで増えています。

 

たった16年でこれだけ増えてしまい、さらに段階の世代が75歳以上になり介護保険利用リスクが高まったら、とんでもないことになる…というのが、現在の国の見立てです。

 

 

 

 

実際、65歳以上の高齢者が担う保険料も、2000年には2,911円だったのが最新では5,869円にまで高まっています。

 

これが基礎年金(概ね5万円)から天引きされるのだから、そりゃあ高齢者は『保険料高っ!!!』となるわけです。

 

しかも、医療保険は利用者数が多いですが、介護保険については、実際に利用している人の割合が65歳以上の高齢者の2割と言われています。

 

そのため、残りの8割および40歳以上の給与から天引きされている方々からしたら、『これ以上負担するのは苦しい!!!』という意見が出るのも、ある意味当たり前なわけで。

 

そのような現状があるため、国は(安直だと思うのですが)『入りを増やせないなら、出を抑えよう』というわけで、毎回『報酬改定』の度に変なからくりで事業所への報酬が低くなるよう操作してきたわけですね。

 

 

 

 

そうすると、今度は介護職員が『やってらんねー』と、どんどん辞めていくわけで。

 

事実、一般企業で『寿退社』という言葉はあると思いますが、介護業界では男性が『寿退社』をするのです。

 

なぜなら、介護の給与では結婚後に生活をしていけないから(昔は看護もこんな体制だったから女性が多かったのだと感じています)。

 

介護の仕事に嫌気がさして見切りをつけるならともかく、介護の仕事自体は好きなのに、待遇面で折り合いがつかず辞めていく職員を何人もみてきました。

 

そんなこんなで介護職員は需要と供給のバランスが明らかに狂ってきたので、『介護技能実習』という名目で外国人労働者の受け入れ等もしつつ、介護職員については処遇改善を大幅に行うこととなったわけです。

 

 

 

 

こんな状況で、これから団塊の世代を迎え入れる準備に入るのだから、そりゃあ国も大変だと思います。

 

なにせ、今までなぁなぁで見て見ぬふりをしていたツケが、ここに来て一気に噴出したからです。

 

介護職員の処遇改善は消費時増税分で補填するにしても、それ以外に上昇する保険料はどうしよう。

 

…というので、出てきた案は、これまで何度も遡上された『40歳以上の保険料納付開始年齢の引き下げ』と、『利用者負担割合の見直し』です。

 

同時に、『そもそも使えるサービス体系の見直し』も必須となると思います(ここで軽度者の総合事業移行が関わってくるわけです)。

 

 

 

 

一方で、今までも議論に上がる度に整合性がとれず悩ましい部分として、保険料納付開始期の引き下げをした場合、『障害者総合支援法との兼ね合い』とか、『共助なのに、利用できない若者に負担を強いるのはどうなのか?』とか、『社会保険であるが故に企業も半額負担するようになるが、その部分の負担をどうするか?』とか、色々な反発が予測されるわけで。

 

私自身、給付がどんなに上がったとしても、現在の若者と高齢者の試算や収入を比較すると、これ以上若者に負担を強いることは反対です。

 

そして、しつこく書いてしまいますが、現在40歳以上の方々が(強制的に)保険料を納付していますが、実際に利用している人は、高齢者の2割です。

 

そして、残念なことに『介護保険があって良かった!!!』という声よりも、『介護保険事業所不正発覚!!!』のニュースの方が国には多く挙がっており、それらを考えると、より一層給付に対しての目は厳しくなるのは当然と思えてきます。

 

そしてなにより、現段階で保険料や利用者負担割合に真っ向から向かい合う姿勢を、閣議決定や審議会部会では見せていないのです。

 

またしても先延ばしにするのかと思うと、本当にいい加減にして欲しいと思います。

 

 

 

では、そんな状況の中で、ケアマネジャーはどうやって自分たちの地位と報酬を向上させたら良いのか?

 

これについて書いてみようと思ったのですが、またしても長文になってきたため、いつか改めて書かせていただきます。

 

もう少ししたら、三鷹に向けて少し早いけど出発しなきゃ!

 

研修会場でぼーっとしている私を見かけたら、声をかけてくださいませ☆


2019-07-12 07:26:00

訪問をありがとうございます。

 

先日、友人と話をしていた時に、『こんな時代の過渡期に生きていられるなんて、本当に楽しいし幸せだよね~』という言葉を受けました。

 

こういう超ポジティブ発言をしてくれる友人がいることを幸せに思いつつ、本当にそうだなぁ~と感じている私です☆

 

 

 

 

さて、今日は、社会保障制度審議会の介護保険部会の議論から『横断的な検討事項』について、ニッセイ基礎研究所の記事を基に、意見を書いてみたいと思います。

 

今日はむちゃくちゃ長くなると思うので、お時間のある方のみお読みください(資料を読み返したりして昨夜から書いていますが、膨大な資料をどうまとめていこうか迷走中)☆

 

なぜこんなとを今ごろ書くのかというと、参院選が終わったら(年末近くから)、一気に審議会の議論が進むと考えているからです。

 

今のうちから、議論される内容を整理し推測しながら対策を考えて先手を打つことが、私は何よりも重要だと感じています。

 

ちなみに、次期改定のテーマは1)介護予防・健康づくりの推進、2)保険者機能の強化、3)地域包括ケアシステムの提供、4)認知症「共生」「予防」の推進、5)持続可能な制度の再構築、の5つです。

 

この5つについて、財源不足と人材不足を絡めながら議論が進んでいくと思っています。

 

 

 

 

【1、介護予防・健康づくりの推進】

 

介護予防については、最近の国全体の雰囲気と議論の内容、そして発表されるエビデンスを確認する限り、今後は『通いの場の充実』が一つのポイントになると思います。

 

というのも、最近、『他者交流の有無に対する健康寿命延伸の効果』という研究発表がやたらと出ており、おそらく国は、これらの根拠を基に、『地域で集いの場を設けることが重要!』という方向性に走っているからです。

 

現段階では、2020年末までに介護予防に繋がる通いの場に参加する高齢者の割合を4.9%から6%に引き上げる方針を掲げています。

 

これについては、認知症施策推進大綱などの政府文書や、保険者機能強化推進交付金にも盛り込まれているため、必須となるでしょう。

 

この元気高齢者の集いの場ですが、私はここの支援については、主体性を引き出したり多様性を出すために、介護やリハビリ等の専門職が担うのではなく、地域住民が中心となって進めていくことが良いと考えています。

 

介護保険事業所も、赤字を出してまで総合事業を受ける必要はなく、そこに力を入れるなら、住民主体の通いの場とつながりを持ち、要介護になった時にスライドできる関係性を構築することが良いと考えています(相互協力体制を創ることで、顧客獲得の流れを確保する)。

 

また、この住民の通いの場構築には、行政・包括を中心に保健所等とも連携し、専門職等は生暖かく見守りながら、高齢者の健康について、必要に応じて支援していく形が望ましいと考えています(専門職や行政が全面に出ると、過剰サービスとなっている介護保険の二の舞になるため)。

 

そして、住民主体の通いの場から、住民主体の訪問に支援を広げていくことが、成功の鍵を握ると感じています。

 

例えば、通いの場で親しくなったボランティア員が、参加者のニーズ(美容室に行きたいけど一人で行けない等)を聞いて、『じゃあ、私が一緒に付き添うわよ』と言ってもらえるような関係性を作る…というイメージです。

 

こんな形で、時期改正・改定では、『住民主体の通いの場の強化』は必須となり、ポイントは、いかに住民に自分事化してもらえるかだと思っています。

 

それを管轄する行政担当課は大変でしょうが、頑張って色々上手に仕掛けていってください。

 

 

 

 

【2保険者機能の強化】

 

これは市町村の役割拡大の推進です。

 

具体的には、1新しい総合事業の充実、2ボランティアなど多様な主体による生活支援の充実、3要介護度の改善などの効果の数値化と分析などが入っています。

 

これは、今まで創意工夫をしてこなかった保険者にとっては、『困った!』というところも多いかもしれません。

 

現在国は、様々な地域の取り組み事例を集めてはHPにアップしていますが、人口構造や地域風土の違う地域で、そのままマネしてもうまくいかないからです。

 

当たり前ですが、人口2万人くらいの定住率の高い地域と、人口50万人声の定住率の低い地域では、状況も課題も違いますから。

 

ただ、国としては、『今までは予防級からの移行でサービスAという形で専門職に委ねる部分が大半だったけど、今後はサービスBに移行していってね』ということを何度も書いています。

 

ボランティアの育成についても同様ですが、このあたりは、実際社会福祉協議会に委託してしまう保険者も多いのではないかと感じています。

 

が、保険者がしっかりと介入しつつ、生活支援コーディネーターとも連携して、整備をしていただきたいと思っています。

 

これと同時に、保険者機能強化で議論されているのは、地域包括支援センターの機能強化です。

 

こちらは、数の確保(中学校圏域で1つ)と、包括の役割が増えている状態での人員体制の強化が検討されると思います。

 

他、効果的な介護予防の模索に関するデータの数値化は、2021年度の報酬改定に反映させる方向で進んでおり、どのようにしていくかが議論されていくと思います。

 

ちなみに、私が個人的に気にしているのは、『保険者機能強化推進交付金』についてです。

 

あれ、全国一律の評価項目があるのですが、答えるのは保険者自身であり、昨年度、国はノーチェックで順位づけをして交付金を出しています。

 

その金額や順位や配分額は不明で、しかも今回はインセンティブとして通常の交付金扱いしていますが、今後は順位の高いところに多く配分し、その分のマイナスを順位の低いところから引くという形が取られる可能性も大きいです。

 

また、先ほど挙げたとおり、国が通いの場に力を入れるよう謳っている以上、評価項目の見直しの可能性もあります。

 

というわけで、このあたりも今後の動向をみていきたいと思います。

 

 

 

 

【3地域包括ケアシステムの推進】

 

これについては、机上の空論にならないこと、事業の体だけ整えて中身が空っぽにならないことを祈るばかりです(書き出したらきりがないけど、ある意味保険者次第な部分があるので、詳細は割愛します)。

 

行政といえど、介護保険の立場にいる課が医療の部分にどこまで介入できるかは、市町村ごとに進捗・深度にバラツキがあると、データを見る限りでは感じています。

 

この部分でケアマネジャーは、主任を中心に医療機関と行政の橋渡しができたら、恐らく今後の行政との関係性はかなり良くなると思っています(チャンスです!)。

 

その他、生活支援コーディネーターの充実や、学校の空き教室や医療機関の既存施設などを活用した新たなサービス提供の方法なども、介護保険部会の資料には盛り込まれています。

 

 

 

 

【4、認知症「共生」「予防」の推進】

 

これは以前にも書かせていただきましたが、2,018年12月に官房長官をトップとする『認知症試作関係閣僚会議』を新設し、国を挙げての本格的な取り組みになっています。

 

ここで、共生と予防の2つを大綱に盛り込んだため、それに連動する形で議論が深まっていくと思います(だんだん疲れてきたので、雑になっていたと実感…)。

 

 

 

 

【5、持続可能な制度の再構築・介護現場の革新】

 

個人的には、これが一番くせ者だと感じています。

 

…というのも『介護保険制度継続性担保のため』が大義名分になり、利用者負担割合増大や、ケアプラン自己負担導入、要介護2以下の総合事業移行、介護職員の処遇改善、介護保険給付費や保険料の金額設定、書類の見直し等々、何でも盛り込むことができるからです。

 

が、逆に言えば、こちらが提言するポイントが絞れるチャンスでもあるので、ケアマネジャーだったらケアマネジメント料自己負担の賛否や、ケアマネジメント業務の拡大解釈(介護離職防止にケアマネジャーが責任上乗せとか)、主任ケアマネジャーの管理者要件等、議論に上がりそうな部分についての意見を、現場であらかじめ話し合ったりデータを取り、準備することができます。

 

そしてそれらのデータや意見の集約は、パブコメ等で厚労省に挙げるだけでなく、社会保障審議会介護保険部会の委員や、国会議員に資料として提出することが、一番有効だと感じています。

 

なにせ、議論はこれからですから☆

 

議論に入ったときに、ちゃんとケアマネジャーの業務と報酬を理解した上で意見を交わしてもらうように、こちらで先手を打つこともできるのです。

 

ちなみに、こういう意見やデータを出すのは、いわゆる職能団体よりも、任意の団体が迅速にとりまとめて提出した方が有効だと感じています(職能団体は公部分が強いため、アンケートや意見についての取り扱いは慎重なため)。

 

 

 

 

こんな感じで、5つのテーマに分けて書いてみましたが、まちづくりの立場で言えばこれからはチャンスであり、ケアマネジャーの立場で言えば、現段階で行動を起こすかどうかで今後の決定内容は変わってくると思います。

 

私は個人的にすぐできることとして、7月中には国会議員に、まちづくり推進について手紙を書こうと目論んでいまーす。

 

読んでもらえるかはわかりませんが、1%でも前に進む可能性があれば、まずは行動していきたいと思ってます。

 

長文、最後まで読んでいただき、ありがとうございました☆


2019-07-11 07:40:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は、地域活動をしている仲間とお昼を食べ、たくさん話をしました。

 

最近、様々な場所で、考えるきっかけをいただく機会を多くいただきます。

 

とてもありがたいことであり、同時にたくさんの方々の意見を聴くことができることも、ありがたいと感じています。

 

 

 

さて、今日はとても素晴らしい方の講演様子をご報告させていただきます。

 

個人の持つ可能性、それを踏まえて人と人が助け合うことの大切さを語ってくれています。

 

興味のある方は、ぜひご覧ください☆

 

https://youtu.be/gBumdOWWMhY