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2019-07-13 07:38:00

訪問をありがとうございます。

 

今日はお昼から職能団体の中規模研修お手伝いがあります。

 

三鷹という地域で、決して自宅からは近くはない…というか2時間近く片道にかかるのですが、受講者の方々が満足できる研修となるよう、裏方を精一杯務めたいと思います。

 

 

 

 

さて、昨日、介護保険の次期改定に伴う内容を整理しましたが、そもそもの介護保険の財源について、皆さんはどのくらいご存じなのかなぁ~、という疑問にぶち当たりました。

 

・・・というわけで、今日は、介護保険の財源について少し書かせていただきます(昨日は詰め込みすぎたので、今日は軽くまとめます)。

 

 

 

介護保険について一番心配されているのは、団塊世代が75歳以上になる2025年までに、介護費用が急増しないよう整備できるかです。

 

じゃあ、実際の介護保険の財源はどうなっているのか?というと、国(25%)、都道府県(12.5%)、市町村(12.5%)、65歳以上の方(23%)、40~64歳の方(27%)という負担で成り立っています。

 

ざっくり書いてしまうと、『50%は税金、50%は保険料』というわけです。

 

で、ですね、何が悩ましいって、高齢者が急増したわけではないのに、介護保険の総予算(自己負担含む)は、16年の間に介護保険創設時の3倍に膨らんでいるのです。

 

※制度創設時の2000年は約3.6兆円だったのが、2016年度には10兆円程度まで増えています。

 

たった16年でこれだけ増えてしまい、さらに段階の世代が75歳以上になり介護保険利用リスクが高まったら、とんでもないことになる…というのが、現在の国の見立てです。

 

 

 

 

実際、65歳以上の高齢者が担う保険料も、2000年には2,911円だったのが最新では5,869円にまで高まっています。

 

これが基礎年金(概ね5万円)から天引きされるのだから、そりゃあ高齢者は『保険料高っ!!!』となるわけです。

 

しかも、医療保険は利用者数が多いですが、介護保険については、実際に利用している人の割合が65歳以上の高齢者の2割と言われています。

 

そのため、残りの8割および40歳以上の給与から天引きされている方々からしたら、『これ以上負担するのは苦しい!!!』という意見が出るのも、ある意味当たり前なわけで。

 

そのような現状があるため、国は(安直だと思うのですが)『入りを増やせないなら、出を抑えよう』というわけで、毎回『報酬改定』の度に変なからくりで事業所への報酬が低くなるよう操作してきたわけですね。

 

 

 

 

そうすると、今度は介護職員が『やってらんねー』と、どんどん辞めていくわけで。

 

事実、一般企業で『寿退社』という言葉はあると思いますが、介護業界では男性が『寿退社』をするのです。

 

なぜなら、介護の給与では結婚後に生活をしていけないから(昔は看護もこんな体制だったから女性が多かったのだと感じています)。

 

介護の仕事に嫌気がさして見切りをつけるならともかく、介護の仕事自体は好きなのに、待遇面で折り合いがつかず辞めていく職員を何人もみてきました。

 

そんなこんなで介護職員は需要と供給のバランスが明らかに狂ってきたので、『介護技能実習』という名目で外国人労働者の受け入れ等もしつつ、介護職員については処遇改善を大幅に行うこととなったわけです。

 

 

 

 

こんな状況で、これから団塊の世代を迎え入れる準備に入るのだから、そりゃあ国も大変だと思います。

 

なにせ、今までなぁなぁで見て見ぬふりをしていたツケが、ここに来て一気に噴出したからです。

 

介護職員の処遇改善は消費時増税分で補填するにしても、それ以外に上昇する保険料はどうしよう。

 

…というので、出てきた案は、これまで何度も遡上された『40歳以上の保険料納付開始年齢の引き下げ』と、『利用者負担割合の見直し』です。

 

同時に、『そもそも使えるサービス体系の見直し』も必須となると思います(ここで軽度者の総合事業移行が関わってくるわけです)。

 

 

 

 

一方で、今までも議論に上がる度に整合性がとれず悩ましい部分として、保険料納付開始期の引き下げをした場合、『障害者総合支援法との兼ね合い』とか、『共助なのに、利用できない若者に負担を強いるのはどうなのか?』とか、『社会保険であるが故に企業も半額負担するようになるが、その部分の負担をどうするか?』とか、色々な反発が予測されるわけで。

 

私自身、給付がどんなに上がったとしても、現在の若者と高齢者の試算や収入を比較すると、これ以上若者に負担を強いることは反対です。

 

そして、しつこく書いてしまいますが、現在40歳以上の方々が(強制的に)保険料を納付していますが、実際に利用している人は、高齢者の2割です。

 

そして、残念なことに『介護保険があって良かった!!!』という声よりも、『介護保険事業所不正発覚!!!』のニュースの方が国には多く挙がっており、それらを考えると、より一層給付に対しての目は厳しくなるのは当然と思えてきます。

 

そしてなにより、現段階で保険料や利用者負担割合に真っ向から向かい合う姿勢を、閣議決定や審議会部会では見せていないのです。

 

またしても先延ばしにするのかと思うと、本当にいい加減にして欲しいと思います。

 

 

 

では、そんな状況の中で、ケアマネジャーはどうやって自分たちの地位と報酬を向上させたら良いのか?

 

これについて書いてみようと思ったのですが、またしても長文になってきたため、いつか改めて書かせていただきます。

 

もう少ししたら、三鷹に向けて少し早いけど出発しなきゃ!

 

研修会場でぼーっとしている私を見かけたら、声をかけてくださいませ☆