インフォメーション
ニンジンを収穫してます。
今年はおおむね形も大きさも良好です。
虫の食害の少ない無農薬野菜の代表格、ニンジン。
本来発芽さえしてしまえば半分成功したようなモノで、雑草さえどうにかすれば、栽培の容易な野菜と聴いていました。
しかし自分の場合なかなか上手くいかず、
発芽に失敗もするし、発芽しても土がガチガチに固く、
生長が遅く、折れ曲がったり、先細りしたり、
の繰り返しでした。
根菜が育つには土壌を有機物で満たすことができてから初めて容易に育つと言えるものの様です。
私の畑は標高の低い山のふもとにあり、土は粘土質で、根菜は栽培しにくい地域です。
しかし粘土質の土で野菜を育てると生長にストレスがかかり、植物ホルモンを生成するため、その結果味を良くすると言います。
今年のニンジンの畑は粘土質と有機物の量がちょうど良いバランスで機能しました。
”屈折”する事4年、ようやくニンジンも堂々”ムノウの野菜”と言える事ができそうです。
”人参讃歌は有機の讃歌
生命の有難さは有機物の有難さ
有機農とは有機物から微生物を介す事でエネルギーを作物のものとする事
化学肥料やストレスの無い環境で育った人参は有機物の有難さを知らない
有機物の有難さを知らずに育った人参にとって微生物は無きに等しい存在
微生物無き生命は生ける屍も同然!”
なのです。
長野市では使われていない畑、耕作放棄地の有効利用の対策として、ソルガム(和名タカキビ)の栽培を推奨しています。
私の畑周辺地域も空き畑が増えており、今後の事も考えて、今年"赤もろこし"(タカキビの一種)の栽培を試みました。
脱穀は全て地元の協会に委託できますが、大量の残さが出ます。
聴けばこの長野市中から集まったソルガムは全て無農薬、かつアレルゲンフリー(小麦や蕎麦殻とも分別している)との事。
勿体無いと思い、赤もろこしもろとも、ソルガム残さを回収させてもらい、堆肥化してみる事にしました。
米糠ボカシをほんの少し混ぜて積み上げると、3日もしないうちにホカホカに発酵。
米麹の上品な香りと比べ、雑味ならぬ雑香がありますが、良い匂いです。
人間の鼻が良い匂いと判断すれば、畑にとっても良い発酵をしている証拠です。
長野市中の無農薬ソルガムの殻が(および赤もろこしのポリフェノールが)畑の一隅に集まり、
微生物の餌場となり、エネルギーを放出し、産生し、
土壌を育み、野菜を育てる力になる。
気は微生物だという人がいます。
気力は”微生物力”、元気は”源の微生物”。
堆肥は微生物による発酵エネルギーの塊、畑の元気そのもの。
信州産ソルガム堆肥は信州の"元気玉”です。(消毒してはいけません!)
日本はエネルギー資源の乏しい国です。
エネルギーが枯渇しているから日本全体に元気が無くなる。
日本にあるのは自然のもたらす有機物のみ。
再生はもう一度農業から始まるのでは無いか?
という“可能性”を考えてみるのです。
信州産ソルガム普及促進協会
www.sorghum-nagano.com
11月になりましたが、まだ採れてます。
種屋さんから聞いた話ではズッキーニが現在、世界中で流行ってるのだとか。
季節を跨ぐ鈍感さに加え、育ちが早く、乾期に強く、流通しやすく、調理しやすく、農薬も化学肥料も要らない。
オーガニックの流行も日本以外の国ではあるのかもしれません。
とにかく育てやすい作物です。
気候変動とグローバル社会を生き抜くにはズッキーニの様な鈍感力が必要という事です!
6月に実を着け始め、9月にご隠居いただいた老ズッキーニも、今、果実を太らせながら健在です。
老ズッキーニからは種が採れますが、採種はしません。
彼らにはこのままこの地で越冬していただき、来年同じ場所でズッキーニを育てた時の”キオク”になってもらいます。
以前山菜採りをした時、「山菜を採りつくしてしまうとその次の年から採れなくなってしまう、どんなに収穫が少なくても2割程残すのが常識」と地元の人に言われた事があります。
狩猟も放牧も同じ事を聴いた覚えがある。。
その"カタチ"に倣ってみようと思いました。
直接は生き残った種の遺伝子からもう一度分裂と交配を繰り返すのですが、もしかすると遺伝子は単なる設計図=形で、記憶する主体は微生物ではないかな?と。
植物が”カタチ"で、微生物が”キオク”と観てみる。
そうすると畑の土の方にも記憶が引き継がれるという感覚になります。
「土を育てる」はこの事ではないでしょうか。
ズッキーニが世界のスタンダードになれば、「ズッキーニ=無農薬でも無化学肥料でも(無能でも)、環境に負荷なく育てられるもの」という"キオク"が育ち、"カタチ"として残る。
そういう作物が一つできれば他の作物にも"キオクとカタチ"が伝波していく。
…という可能性を妄想えてみる(みよ)。