インフォメーション
今年はキャベツの栽培が上手くいきました。
毎年上手くいかないものが沢山あるのですが、キャベツもその一つです。
握りこぶし大になってしまったり、芋虫に食われてしまったりしてマトモに採れた事があまりありません。
私は心密かにキャベツの事を"農家殺し"と呼んでおりました。
生育期間が長く、レタスの二倍(およそ120日)くらい時間が掛かり、畑のスペースを大きく取るのに、市場では安く他の野菜との質量のバランスを壊して全く釣り合いがとれません。
無農薬の栽培では畑に放置する時間が長いほど管理が大変です。
完全に不織布で覆うことで虫の被害を避けられますが、
雑草が隙間からわんさと生える為、蒸れて病気になることもあるし、
高い不織布の上で雑草が鋲の様に繁り、一回で使い物にならなくなったりする事もあります。
慣行栽培ではマルチも不織布も要らず、だだっ広い有名産地では適しているのだと思いますが、
よくモンシロチョウ一匹飛んでない、と形容される様に、農薬による環境ダメージは心配ではあります。
キャベツの産地ではその土地でなにも作れなくなったというエピソードをたまに耳にします。
私の畑がある七二会地域の一番山にある畑も、昔はキャベツの産地ですが、そう言われていました。(現在は他の野菜は作れているようです。)
害虫が耐性を持つため、農薬の開発との鼬ごっこをなっていると言います。
「農家か環境か」どちらかが犠牲になって、キャベツは安い野菜として消費者に届いていると思います。
今年のキャベツは不織布の破損も少なく、ビニールマルチも使わずできました。
初期にある程度健常に育つと、キャベツの生長が食害のスピードを上回り、露地に剥き出しでもやられにくい様です。
苦労はありますが、シンプルな栽培法でできる為、"My"有機JASの野菜として開拓していきます。
需要は多いため有機野菜として買ってもらえる消費者を増やせれば、今後有望な野菜になりえます。
とはいえ、芋虫は沢山いるので、定期的に監視していかなければなりません。
芋虫を駆除してるうちに、
とても、とても、
無謀な事を妄想いました。
後半へ続く
私は地球に住む生命の人という種類の皮袋に納まる菌の集まりです。
私は集合的無意識の中の、
あなたの無意識であり、
私の意識は60億分の1だけの氷山の一角です。
私は日本にルーツを持つ菌帯。
日本という表意識の、
私という唯一の無意識です。
私は人の、日本に生まれたものとして、自己主張しなければなりません。
たとえ無能で愚かな存在であろうと、
無数の菌から選ばれた依り代として、
私が存在している事を表明しなければなりません。
たとえデクノボーで、力尽き苦しくても、
同じことを繰り返しながら、生きていかなければなりません。
皆は皆が生きていることを主張しなければなりません。
みなさんも頑張って下さい。
「自分」「チワワ」「小松菜」
これらはひとつの共通する概念を持っています。
そうです。
人の庇護下に置かれないと生きていけないカヨワき種です。
私もチワワも人の群れから外れて野生の中で生きていくことはできないでしょう。
小松菜はとても育ちやすいですが、自然的な環境にとても弱く、
「一体この種の祖先が生まれた環境はいつ、どこなんだ?」
と思うくらい、いつ種を撒いても虫の食害に遭い、ズタボロになってしまいます。
彼らの適正の環境は「無菌の環境」であり、菌を殺した土に化学肥料を撒いて育てるのが理想の環境です。
私達は食べやすさ管理のしやすさを求めて小松菜を選びます。
私達は可愛さや携帯し易さを求めてチワワを選びます。
自分は半端者なので、意味なく消滅するかもしれませんが、人もまた管理しやすい程、生き残るのかもしれません。
しかし私達が"菌の住む皮袋"であることを忘れてはなりません。
現代人は腸に生息する菌の種類が昔と比べ減っているそうです。
これはエビデンスのあることだそうです。
菌の多様性は人が生き残っていく過程で生息圏を拡大する度に取り込んできた法則と歴史の様なものです。
人類が拡張する度に様々な菌やウィルス達との抗争があり、人類は敵を駆逐していきました。
一方で敗者の血を取り込み、腸のなかで共存し続けています。
異種を滅ぼした記憶は歴史として腸に刻み込まれ、繰り返し、法則となっていきます。
しかし近年、この法則から外れ、私達は腸内細菌を減らしています。
腸内細菌の種類が減るのはどうしてなのか?
その原因は
農薬の使用、
加工食品の過剰摂取、
食物の単純化
によるものだと考えられています。
私達の主食は米か小麦、とうもろこしです。
品種は50年前と比べても激減しており、それを油で焼いたり揚げたモノをよく食べます。
小麦粉や揚げ物は内臓を炎症させると言います。
野菜は種類も量も摂取量が減って、選ぶ野菜は食べやすく扱いやすい野菜ばかりです。
世界一農薬使用量が多い日本は世界一農薬摂取量も多いはずです。
"カヨワき種"は無菌性によって繁殖することができます。
腸内細菌が減れば減るほど、
生命体としては脆くなっていき、
歴史を逆行し、法則から外れていく…
私達は人の群れに適応できても、自然界には段々弱くなっていきます。
私達は野生を取り戻さなければなりません。
小松菜は小松菜ですが、自然に近い環境で交配を繰り返していけば、やがて自力で生きることができるかもしれません。
からし菜等、"自然の"野菜は肥料をあげずに自然に近い環境で育てたものを、採種しています。
からし菜は自らの抗酸化成分を土の中の害虫防除に使い、身を守ります。
だからアブラナ科のなかでも自然環境に強いです。
野生を食らえば、腸内は多様性を取り戻せる―
腸内細菌の多様性はその人を健康にする-
健康な人が増えれば、
社会が健康に、国が健康に、
と繋がっていきます。
勿論一つの野菜を食べたところで簡単には変わりませんし、
食べ物が軟らかく食べやすいから栄養を吸収しやすくなった、という文脈もありますが、
私達が食べているものは"思想"です。
私達は普段、管理しやすい、甘くて軟らかくて、カヨワくてkawaii生き物を目指して、生きています。
私は"カヨワき人"代表として、
その道に未来はあるのか?と
警鐘を鳴らす菌の依り代であり、
あなたの無意識です。
少々長くなりましたが、まとめると、
「自然の野菜、いかがですか?」
です!