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今年、初の大手スーパーとの契約栽培を試みる事になりました。
就農して4年、いまだ右往左往しながら道を進んでいますが、一つわかったのは“直接消費者と繋がって利益を得る”という戦略は接客や人脈構築、多品目をバランス取りながら作付管理する等、マルチな能力が必要で、己の偏った頭では難しいという事です。
生活の為に必要なのは安定した売り先と考えていた所、初めてそのチャンスを無農薬無化学肥料栽培としてのキュウリにて得る事ができました。
「夏のクレイジー」といえばキュウリ!
「現代(昔も?)は有機・無農薬の野菜といえど形が良い物を作る技術が求められる」とスーパー担当の方から言われました。
キュウリ専門の先輩の有機農家さんからは
「大手スーパーに正規品としてまっすぐなキュウリを納めるには、その倍(❌訂正→)同量のハネダシ(変形)が出る覚悟でやる必要がある」
と聞いて覚悟はしていましたが、
実際はその倍量のハネダシが出てます。
まっすぐなキュウリを作るにはマメに潅水して、追肥して、摘果して、さらには土壌診断もして、とやらなければならない様です。
これからの有機、無農薬野菜が全てそんな必要に迫られるというのなら、ノイローゼ有機農家の誕生!という事にもなるんじゃないかという気もしてます。
しかし、農業で生き残る為にはここを突破しなければならないとも。
「日本農業はcrazy!」
しかし、crazyの意味は“熱狂的な”という意味もあります。
慣行農業の熱狂とは何か?
それは理想の形=イデアに対する追求
な訳であります。
潤沢な資源を使って、野菜の究極の美のカタチを目指す
それが従来の“熱狂”。
その為には農薬も化学肥料も必要となるのです。
自分がやっている“熱狂”は突き詰めると、
野菜を育てながら、生態系の最下層の繁栄、土の資源の豊穣を目指す
という事になるんではないかと思います。
契約栽培の道が自分に合うのか、これから先も続けていけるのかはまだわかりませんが、“ボトムアップ型クレージー”でありたいと思います。
一転、現実のズッキーニの畑です。
つい昨日植えたばかりでだいぶ遅れてしまいました。
私事ですが、
畑作業が全く手に終えません!
出荷と収穫ばかりで草刈りもままならず、いろんな作業が遅れています。
就農して5年目にして、初めて一人前の仕事量を超えた、と感じました。
精一杯やってるつもりでも、いつだって不完全燃焼。
自らを超えるとか、己の限界を知るとか、言いますが自分一人で超えるのは難しいです。
己の限界を己で作って、ブレーキを踏んでしまい、なんだか物足りない結果に終わってしまいます。
自分一人は自由でもあるわけですが、余程の意志を持っていないと、大した業は成せないようです。
それを超えさせるのはやはり、他人との関わりあっての事でした。
他者からのニーズ、他者との連携、とその失敗…
この後どうなってしまう事やら…
ぶっ潰れそうで、だからこそ充実してると
何故か感じます。
多分、“燃え尽きたい”という衝動があるんじゃないかと思います。
生きている実感は
己の容量を超えた時に得られるのだ
と思いました。