インフォメーション
今年は自然栽培(無肥料無農薬栽培全般を総称して)の畑を増やしました。
生産者と販売者側は流行してる気がするのですが、消費者側からのニーズは殆ど聴こえてこない、ある意味最先端の農業です。
消費者は自然栽培に期待などしてないと思いますが、
それでも農家の側に期待してる人が多いのは
"浪漫"があるからです。
自然栽培の元々のニーズは
肥料の窒素分による環境汚染や
健康被害を危惧する声があったからですが、
最近注目される理由としては、
抗生物質を打ったり、除草剤を使った飼料を摂取した家畜から出る糞尿を肥料として使う事に抵抗がある、健康被害を心配する、
と言う理由がある様です。
日本の有機JASが世界では通用しないと言われる所以です。
日本ではそもそも抗生物質を使わないで育った家畜の糞などほぼ入手できませんので、それ無しでは有機農業は成立しません。
菜種油などの植物性無農薬肥料も入手困難です。
なのでヨーロッパの厳しいオーガニックの基準に合わそうとすると、日本ではそもそも有機農業インフラが無く、
自然栽培しか選択肢がなくなると言うことになります。
注目される理由の三つ目に
コロナ禍、ウクライナ紛争の影響下、燃料や資材が高騰し、化学肥料や農薬は二倍近く値上がりしており、農業の在り方に変化が起きつつあります。
様々な課題に対して一定の批評性がある自然栽培に追い風が吹いている様に感じます。
肥料の無い自然の環境で育った種は野生を取戻し、環境に適応し強く育つ、とされてます。
自分の自家採種はそう簡単にはいきませんが、何年も続いてる種子は確かに強いと感じられます。
もし栽培が出来るのなら日本だけでなく地球の問題を解決できるかもしれないー
それが農業従事者の"浪漫"。
しかし、生業としての自然栽培はあまりに収穫量が少なすぎます。
慣行農業は元より、世界のオーガニック基準とも肩を並べるのは無理があります。
戦中の日本とアメリカぐらい生産力の差があると思います。
ファンタジーなのか?現実可能なのか?
日本的視野で閉じてしまえばファンタジー、
世界的視野で価値観が変われば現実化可能。。
大局の事は考えてもしょうがないので、
寝ます。z