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2017-03-06 18:56:00

調理師の夢と言えばシェフになるか、自分の店を持つことだと思います。現実は中々難しい面もあり、成功したとしても他の業種から比べたら普通位の年収です。お金が全てでは無いですが、実際安定を求めてホテルや個人店から病院調理や大手企業の社食で働く調理師も多くいます。それで割り切れる性格なら良いのですが、夢を捨てられないと結構ツライのは自分も良く分かります。まだ33歳と若いですが、2人目が生まれる予定の嫁の立場なら独立を反対しても当然です。どこに外食に行ってもこのレベルの料理で流行るなら、自分の方が美味しいものを作れるのにと気分が晴れなかったり。増えた休みをどうして過ごして良いか分からず、安いギャンブルで時間を潰しても何かむなしかったり・・・。自分もその気持ちは十分分かりますし、安定を求めるような人間なら最初からサラリーマンになっているはずです。自分の場合、独立したのが43歳と少し遅めでしたが、嫁も仕事が忙しく子供もいなかったので思いきることが出来ました。もちろん、嫁も店をやる事に反対どころか、前向きに応援してくれたから踏ん切りが着いた部分もあります。結婚したい結婚したいって言うだけで、何もアクションを起こさない女はいつまでも独身のままです。何たら教室に通ったり、何たらパーティーに積極的に参加してこそ道は開けます。店も同じで、やりたいやりたいと言うだけではいつまでたっても出来ません。勉強会に参加したり、商工会議所に通って顔を覚えてもらったり。結婚する事がゴールと勘違いしていてはただのイタイ女です。店をオープンするのがゴールでは無いのと同じで、そこから続けていく方が何倍も労力がいります。美味しい料理さえ出していれば客は勝手に付いてくるみたいな、調理師がよく勘違いするパターンです。外食が美味しいなんて当たり前の話で、マズい店なんて始めから論外です。美味しいプラス店の雰囲気や使い勝手の良さ、接客やコスパなどトータルでリピーターになってもらえると思います。雑誌などを見ていると毎月何軒かの新規オープンがありますが、その陰で惜しまれながら閉めた店を特集している記事はありません。オープンまでの苦労話と共に、夫婦でにこやかに撮った写真の2年後に50%、3年後に70%の飲食店が閉めています。本人達からすれば人生をかけたチャレンジですが、雑誌を見ている人には数ある飲食店のただの一つです。自分は店をやる事を相談されても、現状を知っているだけに賛成も反対も軽々しく言えません。病院調理に行って安定しても、結局鬱になったりトンだりした人も知っていますし、逆に独立して夜逃げや離婚した人も知っています。(その道を迷わず行けよ行けばわかるさ)みたいな楽観的な性格の自分でも、正直迷う日やしんどい日もありますし・・・。最終的には本人が性格的に向いている方をチョイスすれば良いと思います。その辺りも結婚とよく似ていて、結婚すれば幸せかと言うとそれは人によると思います。一人が気楽なら適齢期になったからと言って、安定を求めて無理して結婚してもストレスなだけです。確実に言える事は、嫁が反対しているなら独立は100%辞めておいた方が良いです。店が上手く言っても家族の協力は必要ですし、ダメな場合子供を連れて実家になんてよくある話で、さらに嫁の実家が金銭面で余裕のある家なら高確率で捨てられます(笑)。まだ33歳と若く、10年後でも自分がオープンした歳になるだけです。まだまだ悩めば良いし、その間に貯金したり勉強したり出来るので。自分もワインの産地巡りやフランス語の勉強や食べ歩きも出来た貴重な時間と思えば無駄な時間ではありませんでした。店をヤレともヤルナともどちらとも言えませんが、もし店をやると決めたなら微力ながら全力でバックアップはしてやるつもりです。