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2021-12-27 22:47:00
野菜はクタクタになるまで煮込む

信州の冬、

大地は凍てつき、

野菜も凍ってしまいます。

 

根菜等の野菜は土中に埋め、貯蔵する事で冬に備えます。

それは昔からある北国の人の生活の知恵です。

 

 

冬は貯蔵した野菜のクズ=残さが沢山でるので、畑にバラまきます。

残さは春から秋にかけてはあまりに沢山だと、

大きい分解者(虫やミミズ)を発生させるため、

扱いに注意が必要な様なんですが、

冬はむしろ良いのではないかと考えてます。

 

 

 "畑は人間の腸の延長"。

"腸内細菌の故郷は畑の土"

です。

 

腸内細菌達は過酷な自然の天候から生き延びるために、船を造りました。

「ノアの方舟」とは私達有機生命体のことです。

 

方舟に乗れなかったヒト達も当然いますが、

私達だけが救われた訳ではありません。

 

方舟に乗らなかったヒト達も

仮死化したり、植物の根にしがみついたりして、

干ばつや、洪水や、厳冬を乗り越えて、

今も生き残っています。

 

 

畑の微生物は冬眠し、

有機物は腐敗しないので貯蔵が長持ちします。

 

土の上に残された植物の残さは、

凍っては溶け凍っては溶けを繰り返し、

気温の変化によって組織が自然分解します。

 

人間が野菜を煮込むのと同じです。

野菜を煮込むと食物繊維はクタクタに断裂し、

栄養素は水分の中にじっとり溶け込み、

腸の微生物にとっても食べやすいご馳走に変わります。

 

私達人間及び腸内細菌は、

野菜を煮込むことで消化を良くし、

英気を養うことで

冬を乗り越えていく。

 

一方、畑の微生物達は

冬中眠りながら、

野菜がクタクタに煮込まれるのを待ち、

気温の上昇と共に目覚めた頃には、

目の前にご馳走が拡がっているという寸法です。

 

微生物の暮らしの知恵は

云万年の時ををかけ、

私達の記憶として残されているのかもしれません。