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2020-09-29 02:48:00
"イネ"でなく"ヒユ"でいく

これはファンタジーです。

 

世界は必ず表と裏があります。

 

人類が生物界の頂点として世界を支配するその裏では、もう一つ裏の世界を支配する種族がいました。

 

それは何かというと"イネ科"です。

 

米、麦、トウモロコシ、サトウキビ...その他雑穀、雑草を含め、

彼等と我々が手を組むことで世界は淘汰されていきました。

人の居ない場所にイネ科無く、イネ科のいない土地に人は無し。

彼等が肥やしとなり、裏で植物界と土壌微生物界を統制しているお陰で、我々人類は繁栄し続けることができるのです。

イネ科は抗菌力があると言います。

それは人類にとって相性の悪い菌類達をイネ科が抑えてくれていると言えるのではないかと思います。

 

科学が発展するもっと前の時代において、イネ科がいなければとっくの昔に人類は他の種族に侵され、滅んでいた可能性もあります。

イネは食料としてだけでなく、環境そのものを人類が生きやすい様にしてくれているのでした。

 

 

 さて盤石な勢力を保つイネ科ですが、その存在を現在の人類は少し疎んじている気があります。

飽食の時代にあって、肥満、糖尿病等、現代病の原因と見なされ、主食というモノがそもそも必要なのだろうか?という風潮さえあります。

また強いとはいえ、やはり雑草や虫との競合で農薬や化学肥料も欠かせません。

世界中大規模な開墾によって、人類は飢餓から逃れる事ができましたが、一方、大地を疲弊させる一番の要因とも言えます。

 

このままイネ科だけに裏世界の統制を任せていいのだろうか?」

 

我々は今、無意識に感じているのです。

 

 

そんな中、イネ科ではない主要穀物が人類史上、僅かにですが存在します。

その一つが"アマランサス=ヒユ科"です。

アマランサスは南米のインカ文明において、トウモロコシ等と共に主穀物として栽培されておりました。

ヒユ科は繁殖力がイネ科同様に強く、大量の実を付け、何処でも芽を出します。

種が砂粒と同じ重さとサイズで扱いづらいせいか、"イネ"との政治闘争に破れ、"ヒユ"は植物界の野党の位置に甘んじていますが、植物界を統制する潜在力を秘めているのでは無いかと思われます。

 

「このアマランサス=ヒユが大地を支配したらどうなるだろうか?」

 

アマランサスだけでなくヒユ目(ホウレン草等アカザ科含む)は皆ベタレインという紅い色素と抗酸化力を持ちます。

 

彼等が大地を支配したら、

今まで緑色をしていた他の植物も紅色になるだろうか?

その食物連鎖の下で育つ生物も紅くなるのではないだろうか?

大地は紅色に染まるのでは?

 

 冬の野菜の畑では"ヒユ"によって"イネ"一強の時代から多様化へと、裏政治の変革の試みがなされているのでした。