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2022-05-24 08:00:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日、ケアプラン有料化に伴い、利用者がセルフプランを作成できる環境整備が必要という意見を書きましたが、今日は、その理由について書かせてください。

 

 

 

 

ケアマネジャーの役割の根底に『公正中立』というものがありますが、これ、制度開設時よりずっと課題となっていた部分ですね。

 

で、この公正中立ですが、令和元年度 ケアマネジメントの公正中立性を確保するための取組や質に関する指標のあり方に調査研究では3つの視点があると書かれています。

 

1)給付の観点からの中立性

 

2)利用者本人のための中立性

 

3)保険者の観点からの中立性(事業所の指定権限が保険者に譲渡されてからは特に)

 

この3つの視点からの公正中立が求められています。

 

これに、多くのケアマネジャーを悩ませている『雇用主の意向(3つの視点を覆す視点)』が入ってくるから、現状は、とても調整に負担がかかるのではないかと推測しています。

 

 

 

 

そんな状況に対し、『ケアプラン有料化』の話が導入となると、多分恐らく『やってらんねー』というケアマネジャーは少なからず出現すると予測しています。

 

現状、4つの視点の落としどころをつけながら調整するだけで大変なのに、利用者の意向が高まるとどうなるか?

 

これは、先に挙げた資料でとても分かりやすく説明されています。

 

1.png

 

引用:令和元年度 ケアマネジメントの公正中立性を確保するための取組や質に関する指標のあり方に関する調査研究P21

 

 

 

 

つまり、『利用者は必ずしも自立に向けた選択をするとは限らない』ということです。

 

どんなに懇切丁寧に説明しても、制度を個人の損得で勘定する人はいると思うのです(これは利用者批判ではなく、生きるための戦略としてそう考える人がいてもおかしくないという意味です)。

 

だからこそ、そういう利用者や家族に出会った時にケアマネジャーを守るためには、『私は専門家として(あなたの意向に)そのまま沿うことはできません。どうしても意向を通すのであれば、セルフプランという方法があります』というように、代案を出せる環境が必要だと思うのです。

 

また、セルフプランを周知し利用する人が増えれば、保険者もケアマネジメントを通じて利用者に関わらざるを得ず、3つの公正中立の視点にある『利用者・保険者』の視点は、双方ですり合わせをしてくれると思うのです。

 

もしかしたら、『セルフプランの会』なんかができて、利用者や家族の立場から、今の制度や事業者に対しての意見を出してくるかもしれません(あ、これは願望です)。

 

 

 

 

長々と書きましたが、どうせ制度の大転換を図るなら、今までのように『都合の悪い部分(調整困難な部分)はケアマネジャーに』という流れが少しでも軽減されるようになってほしい。

 

そのためには、今までのように、利用者の意向を一手にケアマネジャーが引き受けるのではなく、利用者や家族と保険者も巻き込んでやり取りをすることが、本当の意味での『公正中立なケアプラン』が作れると思うし、今一度、制度の目的も共有できると思うのですよね。

 

そんなわけで、長々と書きましたが、これから制度は大きな転換期を迎えると思いますが、『困ったら何でもケアマネジャーに相談する』という流れも転換してほしく、そのためには『セルフプラン』の周知普及が外せないと思っているわけでした。

 

 

 

 

皆さんは、改めて、ケアプラン有料化について、どのように考えますか?