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訪問をありがとうございます。
この連休は読みたかった書籍を片っ端から読破するという、いかにもインドアの私らしい時間の過ごし方をしていました。
で、数ある書籍の中にはアタリがあったりハズレがあったりするわけですが、『イチ推し!!!』という本について、今日は書きます。
まずは、Amazonのリンクと書籍画像を添付します。
この本は、第28回小学館ノンフィクション大賞受賞作であり、Amazonの評価は星4.6です。
本の説明については、上記のリンクを読んでいただきたいと思いますが、私がこの本を一言で説明すると、『山谷のケアシステムを通じてこれからの地域包括ケアシステムを考えることのできる本』です。
台東区と荒川区の一部にまたがる通称『山谷地区』でホームレスの方々のためにホスピス施設『きぼうのいえ』を設立、その後、ドキュメンタリー映画やメディア(『プロフェッショナル 仕事の流儀』や書籍)にも出演したり、山田洋次監督の映画『おとうと』のモデルになったりと華々しい活躍をされていた山本雅基さんと、それを支えている妻美恵さんの現在を書いた作品です。
この本で私が注目したのは以下の2点です。
1)山谷地区のフォーマルに捉われない支援体制がどうやって確立してきたのか。
2)その手法は他自治体でも横展開できるようなものなのか。
そんなわけで山本さんの人柄やプライベートは割愛しますが、本を読んでの結論は、
1)既存のシステムにとらわれるのではなく、支援者が主体となり地域社会と連携しあいながら地域を創っている(制度を地域や住民に当てはめるのではなく、地域やそこで暮らす人をみて必要な支援を展開・確率していく)。
2)制度にとらわれない人たち(採算度外視の簿欄足り溢れる支援者)が集まり体制を構築している特殊性は、他自治体でそのまま横展開することは困難である。
でした。
つまり、山谷地区は、地域独特の相互扶助と共助公助を上手に組み合わせる仕組みができており、個々にカスタマイズされた支援を提供できるようにするには、支援者に高いボランタリー精神があること、そして、支援者間で必要に応じてつながりながら地域全体で支えていこうというマインドを醸成する必要があるということです。
言い換えれば、山谷地区のような旗がないとそもそもボランタリー精神(損得勘定抜きの奉仕精神)に溢れた支援者が集いにくいという点で横展開は困難であるということです。
では、高いボランタリー精神を持った人たちのマインドとはどのようなものかというと、『支援が必要な人に対して家族のように関わることのできる人』と書籍には書かれています。
うん、介護とはいえ『仕事』として担っている支援者に、そこまで期待する事は困難ですね。
とはいえ、この本を読み終わった後に悲観にくれたかというとそうでもなく、まだ完全に整理はされていませんが、ヒントはもらった気がしています。
この辺りについては、明日の更新で書かせていただきます。
皆さんの地域では、地域包括ケアシステムの構築が順調に進んでいますか?