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訪問をありがとうございます。
今回は、財務審議会の続きを書こうと思ったのですが、知り合いに『そもそも省庁の出す資料が読みにくくて理解しにくい』と言われました。
そのため、今日は『省庁など行政が出す資料の読み方』について書かせていただきます。
あ、いつもながら、内容は私の独断と偏見になりますので、ご了承ください。
資料の読み方を書く前に、情報の根拠というものの確認方法について書きます。
基本的には、どんなニュースにも、その記事の情報源(かっこつける人はソースと言います)はあります。
今回で言えば、財務審議会が情報源となるわけですが、どんなニュースにも最初の方でこの情報源を明らかにしています。
例えば、4月18日の介護ニュース『joint』でみてみます。
「要介護1・2は一律に"軽度者"と括れない」 デイサービス協会、総合事業への移行に反対の声明
記事冒頭に、“早速、現場サイドから批判の声が噴出した。日本デイサービス協会は15日、要介護1・2の高齢者への訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移す構想に強く反対する声明を発表した。”とあります。
ここで調べるのです。
検索画面に『日本デイサービス協会』と入力し、虫眼鏡をクリックします。
すると、デイサービス協会のHPが出る為、そこで協会の発信している記事の情報を探して読みます。
こんな感じで、ニュースが報じている内容が、本来情報源の発信と相違がないかを確認します。
面倒くさいなぁと思う方もおられるかもしれませんが、(私のお知らせを含め)どんな記事も『書き手のバイアス(偏り)』は存在します。
そして、誰かが何かしらの発信を行う場合は、書き手は必ず何らかの意図を持っています。
つまり、基の情報を辿って書き手のバイアスを理解することが、書き手の偏りや主張(意図)を理解する手立ての1つになっているのです(ココ、本当に大切!!!)。
このことを、『財務審議会』のデータでみてみましょう。
この左下の部分に『ケアマネジャーに聞いたウンヌンカンヌン』という2つの円グラフがあり、その下に『出所』が掲載されています。
この『出所』とは、“この円グラフをつくった根拠となる情報源ですよ”ということですが、ここで出所を検索すると、違う資料が出てきたため、別の形で調べました。
令和元年度 ケアマネジメントの公正中立性を確保するための取り組みや質に関する指標のあり方に関する調査研究 事業報告 概要
↑この17ページに記載されている資料が、財務省の左下のデータと一致しますので、画面に出しますね。
ここで面白いのは、財務省が『本人の経験を基にした回答』よりも『周囲の経験』を根拠データとして取り上げているということです。
普通であれば、本人経験という事実を調査で確認しているため、こちらを優先するはずですが、都市伝説レベルの噂で聞いたような回答が選択されるのはなぜか?
ここに、財務省の意図が現れているわけです。
つまり、財務省としては『ケアマネジャーは自身の専門性よりも企業の要望を優先させる存在である』という偏りがあり、その偏りを証明したいために、数字の大きい『噂レベルの調査結果』を採用したわけです。
そりゃあ、全体の25%が『専門性<企業利益』よりも40%以上が『専門性<企業利益』と出した方が、インパクトがありますからね。
しかも、私のようにオタク気質の人間は少数なため、たいていの人は『へぇー、ケアマネジャーって会社の営業マンなんだ』と専門性を疑うでしょう(特に介護業界にいない人ほど素直に信じてしまう)。
こうやって、(意図的かはともかく)介護専門職の地位はだれかによって貶められているわけで。
…で、財務省のロジックに続くわけです。
『専門性より企業の利益を優先するケアマネジャーには、公正中立なジャッジが必要で、そのためには利用者負担を導入し、利用者の目で判断してもらうことが必須である!』と。
※このロジックは破綻しているのですが、ガチで突っ込むと長くなるので、これは後日☆
今回出した資料がケアマネジメントの公正中立性だったため、思わずヒートアップしてしまいましたが、このように、データを理解することは、書き手(資料作成者)の意図を理解することに繋がります。
そして、それを踏まえて私たちはどのように動くのかを考えていくことが大切だと感じています。
いやぁ、ちょこっと書こうと思ったら、思わぬ長文になってしまいました。
皆さんは、普段、どのようにニュースを観ていますか?