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2021-03-01 20:55:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は3つの嬉しいことがありました。

 

1つは後ほど記載するとして、2つ目は当社職員が担当終了後にご家族から『母のケアマネジャーがあなたで良かった。母の介護で関わりながら、私たち家族のサポートも皆さんしてくださっていたことを、改めて実感した』と言ってもらえたこと、3つ目は、開業以来の友人とじっくりこれからの社会や介護について意見交換ができたことです。

 

人とひとの関わりが優しさや元気をもらうということ、そのことを実感した一日でした。

 

 

 

 

・・・というわけで、今日は嬉しかったことの1つ目の話である『障がい者就労継続支援B型施設との交流』について書かせてください。

 

そもそもの発端は、一般社団要人の理事仲間であるOさんが、『加藤さん、中央区にすごくいい感じの就労支援型レストランを見つけたから、ランチを一緒に摂ろうよ』と誘われたことがきっかけです。

 

数年前から、障がい者支援の知人と関わりを持っていたため、喜んでそのお誘いに乗りました。

 

・・・で、Oさんに連れられ、混んでいる時間を外してのランチ訪問をしてきました。

 

 

 

 

このレストランは、看板や壁などに『就労継続支援B型施設』等を掲げていません。

 

築地駅近くのオフィス街にあり、他の飲食店と同じようなスタイルで経営をしています。

 

『なんでここが就労支援型レストランだと分かったの?』とOさんに聞くと、『俺の引きの強さだね』と笑っていましたが、外見からは全く分からないつくりになっています(日中は就労支援として営業をしており、夜は別の経営者がお店を経営していると聞き納得しました)。

 

そして、味は『とてもおいしい』!!!

 

メニューは3種類なのですが、サラダとメインメニューとドリンクとクッキーがついていて700円という破格のお値段。

 

地域企業のサラリーマンが食べにきていて、ここも普通の飲食店と変わりがありません。

 

そして、食事後、施設の所長であるNさんに施設の見学をさせていただきながら、じっくりと話をさせていただきました。

 

 

 

 

この就労継続支援B型施設は、『障がい者支援』であることを前面に出さずに活動をしているとのこと。

 

その想いは、『地域の中で、障がい者支援ありきでの存在にはならないようにしたかったから』と話されていました。

 

『当たり前に地域になじむためには、“障がい者就労支援の施設である飲食店”ではなく、地域の飲食店として参入して、お店を気に入ってもらった後に、通う中で“障がい者継続就労支援”ということを理解してもらうことが大切だと思っています』とNさんは話します。

 

この気持ち、私はとてもよく理解することができました。

 

高齢者で言えば、『認知症のAさん』ではなく『Aさんは認知症がある』と捉えてほしいという想いと似ていると感じたからです。

 

障がい有無から地域と関わりを持つのではなく、まずは個人として地域に入り、その交流の中で障がいを理解してもらい、お互いが上手にWinWinでいける関係を構築したい。

 

そう話すNさんの心意気が、とてもよく伝わってきました。

 

 

 

 

そして、同時に勉強になった部分としては、『地域の企業などと協力してモノづくりに励む』という姿勢です。

 

この就労支援では、飲食店業務の他、犬用クッキーの製造・販売、受託の軽作業などを扱っています。

 

さらに、今春には、人用のクッキー販売や、ブランドを創るような取り組みもしていきたいと話をされていました。

 

その際には、地域のものづくり企業などと協働しながらブランドを確立していくことを描いているのです。

 

その手法が、とても上手で。

 

例えば、ブランドTシャツを創るにしても、地域のTシャツ製造の業者さんにプリントを依頼するとか、地域の企業と協力して事業を進めていくという心意気で取り組もうとしている姿がよくわかり、『地域とともに生きる』『これが本当の意味での地域共生社会だよなぁ』ということを実感しました。

 

ことさらに『障がい者』を出すのではなく、『障がい者就労支援の商品A』ではなく『Aは障がい者就労支援の商品なんだね』というように、当たり前に企業として当たり前に地域密着で取り組もうとする姿勢と行動に感銘した次第です。

 

 

 

 

また、障がい者就労支援の課題についても話を聴くことができました。

 

3年前の改定で、就労支援の報酬変更があったようですが、この改定が『結果的に就労支援の利用を狭める内容』になっているとの話を受けました。

 

『月の平均賃金に応じた報酬に変更になったので、これでは週1~2日の就労を新規で受け入れることが難しくなってしまったのです』とNさんは話をされます。

 

せめて時給計算なら良かったのだけど、就労合計時間での報酬計算では、比較的高い就労率の方を受け入れる体制にしないと、報酬が激減になる為法人としての運営も厳しくなる。

 

この変更により、『ゆっくり時間をかけて障がい者が雇用に慣れていく』というスタイルを取ることが困難になり、障がい者にとっても悩ましい状態になっているとのことでした。

 

この辺りの課題は、私たち高齢者支援では気づかない視点ですよね。

 

 

 

 

他、話をしながら、共生社会に向けての取り組みで、『現状は就労支援と一般企業の就労の併用は認められていないけど、これが認められるようになったら、障がい者はもっと自分に合った形での活躍の機会が持てるよね』とか、『行政や相談窓口を通じて就労支援に繋がるのも良いけど、地域住民や地域の活動団体とも繋がって、地域住民や団体と行政と就労支援先と地域企業とで繋がり、健康な人も障がいがある人も子どももみんなで優しさを循環させながら発展できたらよいよね』という話をしました。

 

その話をしている時のNさんの表情がとても素敵で、『あぁ、本当に長年障がい者支援に関わり、本気で共生社会に向けて熱い思いを具現化しようと頑張っているんだなぁ』ということを実感しました。

 

そして、素晴らしい出会いの機会を作ってくれOさんに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

同時に、いつか区を跨いで、お互いに同じ想いを抱く専門職として、『対話から始めよう』にも参加いただきたいと思いました。

 

 

 

 

個別ケアマネジャー業務をする中では、なかなか気づかなかった地域資源。

 

今、個々の活動を知ることでその想いや行動を理解できるからこそ、それを地域に向けてうまく発信していきたいと、改めて思いました。

 

皆さんの地域では、熱い思いで活躍されている方々は繋がっていますか?