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2019-08-06 07:27:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は一日中テープ起こしをしていました。

 

2時間の録音に10時間はかかってしまうという非効率さをどうにかしたいと思いつつ、音声アプリを使用しようかどうしようか悩んでいます。

 

そして、それだけたくさんの尽きない話題を引き出してくれる取材班の方と、ご協力いただいている活動団体の方々への感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

今後もたくさんの取材が控えているからこそ、どういう進め方をすればよいのかを試行錯誤していきたいと思います。

 

 

 

 

さて、今日は地域活動を行う方々のマインドで、私自身が学んだことについて書かせていただきます。

 

その前に…ですが、私の肌感覚として、最近の地域ボランティア・地域活動の大半は、『合意形成型』で事業を進めていくところが大半です。

 

昔ながらの町会等はトップダウンでリーダーが主導しながら各自が役割を分担され、その役割を遂行する形が主体でしたが、現在の活動団体・ボランティアは、リーダーもそれ以外も比較的フラットな関係で、参加者の様々な意見を議論しながら、取り組み内容を検討・進めていく傾向が強いように感じています。

 

また、一人の人が複数の活動に参加していて、それぞれが点の存在でありつつも、気分転換(?)をしながら活動をされている傾向が強い気がしています。

 

この2つについて、先週末取材をさせていただいた団体の代表者…長年(30年以上)民生委員から保護司・町内会会長等、がっつり行政の事業の中の活動さんを経て、今は地域密着の取り組みを経験している方とお話をする中で、見えてきたものがあるので、今日はそのことについて書かせていただきます。

 

 

 

 

の方に昔と今の活動の違いを挙げていただくと、今は活動メンバーは、『特別ルールやマニュアル・規則を設けないで、自分の特技を活かして活動した方が、個々の良さが活きる』と話しておられました。

 

例えば、男性の方だと、手先の器用さを活かして、子どものおもちゃ作りをされたり、庭の手入れをしてくれたり、雨漏りを直してくれたりと、活動以外の部分でも役に立ってくれているようで。

 

昔は役割の責任が重く、規則もしっかりとあった中で自分の役割を遂行するという形だったのが、今は自由に自分にできることを楽しみながら取り組む形になっている、と話していました。

 

つまり、役割に自分が該当する形から、個々が得意にしていることを担う形に変化している、というわけです。

 

地域の様々な活動団体に場所貸しをしながら、自らも各自の運営がうまくいくようにできる部分は協力しているという、この代表者の方は、毎月運営会議を開催しながら、『前向きな気持ちのある人を、みんな(運営委員)で応援するスタンス』を取っていると話してました。

 

また、彼自身の人脈を活かして、運営委員には、地域の民生委員さんや町内会の活動メンバーなどが参加をしています。

 

最近、イベント型のボランティアが流行っている中で、こういう地域密着の活動というものは、ある意味珍しいかもしれません。

 

 

 

 

よく、『地域ぐるみ』というと、昔ながらの地縁のイメージが強く拒否感を持たれる方もおられるかもしれませんが、この団体はフラット型の組織なため、和気あいあいと地域で3世代活動が行われています。

 

私の主観では、町会等の組織型とも違う、好きな人同士で集まった組織とも違う、何というか、この居場所を通じて『地域で生活する』ということを、良い意味で実感でき、地域で自分の居場所を確認できる形が取れるようにみえました。

 

そして、どうしてそれができるかというと、昔からあるご両親の住んでいた日本家屋を開放し(昔なじみの場所)、中の運営は時代に合った形で進めているからではないかと思いました。

 

 

 

 

で、インタビューの中で特に印象的だったのが、こんな言葉です。

 

あ、この方は今年80歳になられますので、時代を踏まえてお読みいただけるとありがたいです。

 

『今、社会でも学校でもボランティア、ボランティアって言っている割にはね、本当のボランティア、本質のボランティアというものを教えていないんですよ。我々子どもの時にはね、「(戦後)これからは民主主義ですよ」という言葉を教わったんです。『民主主義って何ですか?』って聞いたら、先生が「もうやりたいことは自由でいいですよ」と言うんだけど、それがわからないんですよ。何やっていいかわからない。で、ただ民主主義民主主義という言葉だけで動いちゃう。頭でっかちの民主主義で動いちゃう。本当の意味の民主主義がわからないまま、言葉だけの民主主義で動いていたんです。』

 

 

 

 

この言葉、私はとても共感できるのです。

 

今は、社会保障費を削減だとか健康延伸だとかの手段として、やたらと『地域活動』『ボランティア』などが取り上げられています。

 

が、それは活動の本質ではなく、本質的な部分は、『地域活動やボランティアなど、ギブ&テイクではない恩送り(自分の与えた恩を他の人に回す)をすることで、自分自身の満足感や成長を実感できる』ことであり、だから『お手伝いをさせていただく』の気持ちになるんですよね。

 

この部分がわかっていない人がボランティアや地域活動を行った場合、ギブ(与える)に対してテイク(見返り)を求めるから、恐らくバランスを崩してしまうと思います。

 

そして、こういう本質の部分は、言葉でいくら説明しても納得しにくく、実際に取り組みをしている活動団体の中に入って行動することで、初めて体得することができると、私は感じています。

 

 

 

 

私がよく行政に『地域の活動団体を上手に使ってほしい』というのはこの部分で、地域の住民が活動を通じて本質を理解できるように、上手に導いてほしいということで、決してボランティア講座を開けばよいというものではないのです。

 

いかに上手に地域の活動に住民を誘導できるか、そして、地域の活動団体・ボランティア(互助)が活躍しやすい土壌を創れるか、そしてそして、彼らの力をエンパワメントしつつ、活動と並行してより深い福祉やボランティアの講座を開催し、らせん状に地域力を上げていけるかが、行政や社会福祉協議会に求められている役割だと感じています。

 

そのための仕掛けやサポートを上手にしていただきたいと切に願うし、地域住民の優しさを上手に地域力に活かしていただきたいと思います。