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2019-07-28 06:54:00

訪問をありがとうございます。

 

前回このサイトを更新してからもデ〇ーズで気が狂うジレンマを抱きつつ資料作成をして、4時過ぎになんとか終えることができました!

 

頑張った、私☆

 

そんなわけで、中途半端に寝ると気がついたら夜になっていた・・・をなくすため、そのまま起きている私です。

 

 

 

 

さて、今日は時事ニュースからの話になりますが、かんぽ生命の保険を売る郵便局員が、契約者に対して保険をかける相手(被保険者)を短期間で変えさせる手口で、訪問実績稼ぎをしたとみられることが分かった事件についてです。

 

これ、いくつもの重大な問題があるのですが、昨日久々にテレビを観ていても取り上げられることがなく、あれぇ???と疑問に感じました(テレビ局の忖度だとは思いたくないけど、明らかに違和感があります)。

 

そんなわけで、今日は、『大組織で取り組まれる悪事は、当事者意識を持ちにくい』について、書かせていただきます。

 

 

 

 

アメリカの社会心理学者に、スタンレー・ミルグラムという人がいました。

 

この人は「アイヒマン実験」でも知られる人なのですが、彼は「人が集団で何かをやるときには、個人の良心は働きにくくなる」という仮説を立て、実験をしました。

 

ちなみに、アイヒマン実験というのは、2人の被験者と白衣を着た実験担当者が参加します。

 

被験者2人にはクジを引いてもらい、どちらか1人が「先生」の役を、もう1人が生徒の役を務め、生徒側は単語の組み合わせを暗記しテストを受け、生徒役が間違える度に、先生役は罰として生徒役に電気ショックを与えるという実験です。

 

この電気ショック装置にはボタンが30個ついており、15ボルトをスタートに15ボルトずつ電圧を上げるように指示されています(最高は450ボルトです)。

 

実験が始めると、生徒役と先生役はインターフォンを通じてやりとりするのですが、生徒役が間違えると電流を上げる中、75ボルトを過ぎたあたりから生徒は様子が変わり、150ボルトに達すると、「もうダメだ、出してくれ!実験は辞める!助けてください!」と叫びを発します。270ボルトになると断末魔の叫びを発し始め、300ボルトに至っては「質問されても答えない!とにかく出してくれ!心臓がもうダメだ!!」と叫ぶだけで、質問に返答しなくなります。

 

この実験、白衣を着た実験担当者と生徒役はサクラなのですが、ミルグラムの実験では40人の被験者のうち、65%にあたる26人が、痛みで絶叫し最後には気絶してしまう(ように見える)生徒に、最後の450ボルトの電気ショックを与えました。

 

これだけ多くの人が、明らかに生命の危険が懸念されるレベルまで、実験を続けてしまったのです。

 

とはいえ、先生役の被験者が全く葛藤なく行ったわけではなく、途中途中で葛藤を示していたようですが、「何か問題が発生すれば、責任は全て大学側で取る」という言葉を聞くと、納得したように実験を継続したようです。

 

 

 

 

そこでミルは『「自らの意思で手を下している感覚」の強度は、非人道的な行動への関わりにおいて、決定的な影響を与えるのではないか』と仮説を立て、それを明らかにするために、更なる実験を行います。

 

そして、先生役を2人にし(そのうちの1人が被験者)、ボタンを押す係はサクラが担い、被験者には回答の正誤の判断と電圧の数字を読み上げるという役割を被験者に与える実験を行いました(生徒役はサクラ)。

 

今回は被験者の役割は『回答の正誤を判断し、与える電気ショックの電圧の数字を読み上げることだけ』となり、関与としては前回の実験よりも消極的になります。

 

また、2人体制で行うため、精神的負担も前回より軽くなっています。

 

結果、最高の450ボルトまで実験を継続した被験者は40人中37人・・・つまり93%となり、ミルの仮説は検証されたのです。

 

この実験は1960年代に行われたのですが、その後1980年代中頃まであらゆる国でも同様の実験を行った結果、ほとんどがミルグラムの実験結果以上の高い服従率を示したと言われています。

 

つまり、この『「自らの意思で手を下している感覚」の強度は、非人道的な行動への関わりにおいて、決定的な影響を与える』ということは、アメリカ固有の国民性ではなく、人間の普遍的な性質を反映しているということが実験により明らかになったのです。

 

 

 

 

とまぁ、長々と実験について書いてしまいましたが、何が言いたいかというと、『今回のかんぽ詐欺(私は詐欺だと認識しています)について、職員にとっては、自責の念はそれほど強くなかったのではないか?』ということなのです。

 

『会社(または上司)に指示されたから』と思うことで、その行為が詐欺であっても、『指示されて動いているだけの自分』は良心や自制心が働きにくくなっていたのではないかということです。

 

そして、今回は大きな犯罪に至りましたが、実は私たちも『介護保険』というルールに則って支援をしている中で、その内容について自分で一つひとつ確認しながら進めないと、もしかしたらかんぽ職員のうような状況になってしまう可能性がないとは言えないと思うのです。

 

それは犯罪といった大事ではないにしても、『制度(ルール)がこうだから仕方ない』という言葉を盾に、利用者やその家族が望む生活を諦めさせてしまうことがあるかもしれない。

 

なぁんてことを考えてしまい、改めて『できない理由よりできる方法を考え実践する』という当社の方針の大切さを実感した次第でした☆

 

※これを書いている中、気がついたら外は大雨です。皆さま、天候が不安定なので、本日は無理をせずにお過ごしくださいませ☆