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2019-07-16 07:20:00

訪問をありがとうございます。

 

今回の連休は研修お手伝いや資料つくりに追われていたため、連休ぼけは回避できました。

 

もし、これをお読みの方で、『やべぇ!連休呆けした!』という方がいたら、下記サイトをお読みください。

 

あまりの馬鹿さ加減に抱腹絶倒気持ちはリフレッシュでき、仕事に集中できること請け合いです☆

 

https://newstopics.jp/url/7092060

 

※“イケメンおっさんに”~のサイトです。日刊SPA!というあたりで、なんとなく書かれている内容が予測できるかもしれませんが、私はこの記事を満員電車で読み、吹き出してしまいました・・・。

 

 

 

 

さて、少し前に、年金に関係するニュースが世間を騒がせていましたが、とある記事で、『そもそも国民年金と厚生年金の違いを理解していない人が多い』という内容を読み、驚きました。

 

そして、さらに驚いたのが、『厚生年金加入者は、年金加入することで損をしている』ということを知らない人が多いという記事です。

 

そんなわけで、今日は年金について書かせていただきますので、興味のある方のみご覧ください。

 

 

 

 

まず、国民年金についてですが、これは加入した方がお得な制度で、払う額と受け取る額を誰でも簡単に計算することができます。

 

2019年は月額1万6410円支払い、受け取る額は月額6万5008円です。

 

20歳から加入して40年間かければ支払い総額は787万6800円。

 

平均余命から、男性19.57年、女性24.43年で試算すると、男性は約1500万円(1.9倍)、女性は1900万円(2.4倍)受け取ることができます。

 

これはお得ですよね。

 

 

 

 

一方で、厚生年金は、報酬月額の18.3%を個人と企業で折半する仕組みとなっています(上限報酬63万5000円)。

 

で、ですね、労働政策研究・研修機能の調査によれば、大卒男性が新卒入社し60歳定年までフルタイムで正社員を続けた場合の、平均的な生涯賃金は約2億7000万円(退職金除)となっています。

 

それに伴う厚生年金の保険料総額は、約4900万円です(個人負担と企業負担合算)。

 

一方で、厚生年金の平均受給額は、男性で16万5668円(2017年)で、国民年金と同じ計算(19.57年)をすると、受給総額は3900万円になります。

 

つまり、1000万円くらいの損になるわけです。

 

これ、内閣府経済社会総合研究所での研究会で、鈴木亘氏らがまとめた論文では、2000年生まれの若者は3720万円の損失、1990年生まれの30歳は3450万円の損失、1980年生まれの40歳は2940万円の損失になると書いています。

 

http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis281/e_dis281.pdf

 

つまり、『厚生年金は損をしている』ということなのです(この事実に気付いていない人が多いのは、“ねんきん特別便”が、個人負担分しか記載していないからでしょう)。

 

そして、損をした分のお金はどこに消えたのかと言えば、『年金財政の補填』に回されているわけです。

 

なぜ、厚生年金だけ損をする仕組みになるのかと言えば、国民年金は計算がしやすいが、厚生年金は計算が複雑で損得がわかりにくからと言われています(国民の不満を抑えたいから、取りやすいところから取る)。

 

 

 

 

このように、現在の日本の年金は賦課方式で、現役世代が拠出した保険料が高齢世代の年金として支払われる形を取っています。

 

だから、『年金は子どもの世代から親世代への仕送りなんだから、損得で考えることはケシカラン!』と思う方もおられるかもしれません。

 

でもね、ご批判を承知で書かせていただきますが、私は今の中高年以上の世代が今後の若い世代の希望を奪っていると感じています。

 

なぜなら、賦課方式の年金制度は、現役世代の拠出した保険料が高齢者世代に支払われるため、少子高齢化が進むにつれて、現役世代の負担が重くなり、いずれは年金制度そのものが破綻することが目に見えているからです。

 

年金制度の真の課題は世代間格差だと、私は感じています。

 

若い世代は、このシルバー民主主義という仕組みを知っていて諦めているから、たくさん税金を取られても、収入が低くても文句も言わない。

 

が、反面、結婚をしない・出産をしないという形で、彼らは彼らなりのリスクを取っているわけです。

 

少子化が始まった時に出産をしなかったのは、就職氷河期からバブル世代の人間で、その対策を打たなかったのは、それ以上の年齢の方々です。

 

彼らが積極的に選挙に行かないのは、どう頑張っても高齢者の投票数には勝てないことが分かっているからです(20代1250万人、70代1650万人で、現在70代の投票率は71%。20代がこれに追いつくには93.7%の投票率が必要)。

 

事象だけみると、『今の若い子は自分の楽しみばかり優先してケシカラン』に見えるかもしれませんが、決して彼らは利己主義で、企業に就労しないわけでも、結婚しないわけでも、出産しないわけでもないのです。

 

現在の日本に未来を見いだせないから、将来に対しての投資はできない。

 

シンプルにそんな理由なのです。

 

 

 

 

私は『今の高齢者はズルイ!』とか、『若者がかわいそうだ!』とか、そういう感情的な部分でこれを書いたのではありません。

 

高齢者が悪いわけでもなく、若者がワガママなわけでもなく、単純に仕組みの問題なんです。

 

だからこそ、年金について、そして今の医療保険や介護保険について、いい加減、根本的に見直す時期に来ているのではないかということを言いたいのです。

 

それは『厚生年金VS国民年金』とか、『高齢者VS若者』という二項対立ではなく、全世代にとってどういう方法がよいかの全体最適の視点で考えることが、とてもとても必要だと思うわけで。

 

これらを、『どうせ国の考えることだから』と思考を放棄するのではなく、一人ひとりが、どうすれば持続可能な社会保険を構築できるのかを考えることが必要だと思うわけで。

 

そんなことを考えながら、目の前に溜まった仕事から現実逃避している私でした☆