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2019-06-17 12:56:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は午後の更新です。

 

一昨日から、金曜日に取材した4時間以上に及ぶ取材のテープ起こしと、サイトの掲載文章の作成をしていました。

 

もう、何というか、すごくすごく幸せな時間でした!!!

 

 

 

 

さて、今日は、その取材の中でのやり取りを一部掲載させていただきます。

 

取材については、事前に質問事項に書き込みをいただいた上で実施しました。

 

今回は、「江東区助け合い活動連絡会」の会長である、渡辺さんの記事を掲載させていただきます。

 

渡辺さんは、中学卒業後住み込みでの就労をしながら、夜間専門学校、短期大学に通い、54歳の時に大学進学、69歳で高校を卒業しているという、多彩な経験がある他、子育て支援を中心にまちづくり等にも積極的に参加をしています。

 

 

聴手:渡辺さんは、助け合い活動連絡会会長の他、町内会会長、子育て関係等を行っていますが、そもそもボランティアを始めたきっかけを教えてください。

 

渡辺:まぁ、両親の影響があると思います。私の両親は戦後、行商をしていたんですよ。そこについて行くことが多かったんですが、なべ底劇という時(昭和26年頃)に両親の事業が倒産して、私は中学卒業後小僧(住み込み就労)に入ったんです。お袋は縫物が得意だったから縫物の先生になったり、親父は町会の副会長をやったり老人会の会長をやっていたみたいで、行商の頃から地域の人と深く関わって生きてきたのが、私の原点だったのだと思います。

 

聴手:渡辺さんの活動のエネルギーというか、そのエネルギーは何なんだろうか?というのが一番の疑問だったのですけど。

 

渡辺:何だろう?自分でもよくわからないなぁ。ただ、人が喜んでくれること、ありがとうって私に言わなくてもいいんだけど、そういう気持ちを持ってくれることに対する喜びかなぁ~。

 

聴手:他人の喜びが自分の喜びにつながっている、ということですね。

 

渡辺:感謝をする…人様にまたはその感謝の気持ちを持ってもらうこと、その感謝の気持ちが大きい人ほどやっぱり幸せになっていくというものを、私は非常に感じているのよ。だから、その感謝の気持ちの無い人っていうのは、残念ながら人生も貧しい。80年…79年生きてきて(感じたこと)ですけど。

 

聴手:現在の活動はかなり広範囲に広がりましたけど、僕らがこの社会の中で生きていくということに関して、何が一番大切なんだろうか。例えば、今の日本では何でも白黒つけたがって全部色分けして物事判断するような社会になっちゃっているけれども、どういう社会が人間にとって幸せな社会なんだろうなぁ、ということをご説明いただけたらありがたいです。

 

渡辺:そんな難しいことを聞かれたって答えられないけど…感謝と喜び、かなぁ…。

 

聴手:さっき言った共生ですか?

 

渡辺:うん。私はそれに尽きると思うのね。

 

聴手:お互いさまね。

 

渡辺:だからしてやってあげているではなくて、やる方は『させていただく』という。で、やってもらった方は『ありがとうございます』ということ。そういうもので成り立っている社会というのは…それは本当に住みよい社会なんだろうなというふうに思うし、そういう風なことで子育てをしていったら、私はそれなりの子ども達は育つと思う。私にとってのテーマはやはり子育てなんだな。だからもう始めて15年・16年になるけど、毎朝出て行って(通学挨拶)をしていて。ついこの間までは立ってて『おはようございまーす』って言っていて、まぁ、それでも応えは返ってくるのだけれど、最近はしゃがんで…中腰になって『おはようございまーす』とやるの。そうすると返ってくる声の大きさと人数が3倍くらいになってくる。目線を下げるだけで(子ども自身が)『(自分に)言われているんだな』と思うし、それを見ている親も、今まで知らん顔していたのが『おはようございます』と言うようになる。また、にこっとしたり。今までむっとしていて『この人何やってるんだ』みたいな顔をしていたのが、今朝はじめてだよね、彼の中では『ありがとうございます』なのか何か行ったんだと思う。それは小学生のパパだけど、何十回と顔を合わせていた中で、向こうはやっていて私が気づいていなかっただけかもしれないけど、今日初めてそれが見えたの。それが非常に嬉しかったの。それは私が引き出したのかもしれない。

 

聴手:それはありますね。

 

渡辺:人のものを引き出すということは、自分が低くなることによって、向こうの善意というか喜びを引き出せるものなんだなぁ~、ということを感じて、その後に自転車事故にあったという…(笑)

 

(取材の日に、渡辺さんは自転車同士の事故にあいました)

 

聴手:中学卒業後住み込みで就労して、その後、障がい者支援を行い、カンボジアに行って子育てを始めて、さわやか財団につながり、町内会を担い、高齢者とも関わってきたのですね。だからこそ、初めから共生社会の視点で助け合い活動の取り組みを行うことができたのですね。

 

渡辺:そもそも社会というのは混然としているものなんだよ。生活が大変な人もあれば豊かな人もあれば、子どももいれば高齢者もいる。豊かだから幸せかって言うとそうでもないし、貧しいながらも幸せな人もいるし、貧しくて苦しい人もいる。それをどうやって地域でみんなが一歩でも住みよい地域にできるか。地域というのは結局人間関係なのよ。ハードの問題じゃあないのよ。

 

聴手:渡辺さんの考える地域は、モノで考えるでもなく、縦割りでもなく、結局は“色んな世代の人間関係なんだよね”っていうところに行きつくのですね。

 

渡辺:結局、江東区助け合い活動連絡会の中で取り組んでいる中で…今の状況、ここから一歩二歩進めるためにはどうしたら良いかということを考えた時に、“社会貢献大學”という発想が出て来たんだよね。だけど、これはお金もかかるし行政からいろんな面での支援を受けるためには、残念ながらまだまだそこまで行っていない。ノウハウや信頼も得られないし、それだけの人を集めるだけの人も揃っていない。半年くらい考えた結果、集めるための何かをしようと考えて出たのがグランドゴルフなんだよね。

 

聴手:なるほど。

 

渡辺:グランドゴルフを通じて人と人がつながる。そして健康になるし楽しいし仲間ができる。それが一歩先に行くと、小学校・中学校でも親子グランドゴルフを広げて、そこに経験者(高齢者)がお手伝いに行くことで地域がつながる。そこでコミュニケーション能力が高まるし、その後のステップとして、子ども達のおじいちゃん達を引っ張ってきてもらってどんどん輪を拡げていく人間関係を育てて、各町内会・自治会の活動についてみんなで助け合える関係をつくれたら良いと思うんだよね。そういう関係を重ねる中で、今度はそういう人たちが地域を支える新たな人材になっていくと思うんだよね。今は町会とか自治会とかどんどん下り坂だけど、それを支える人材になるし、もう一方で、社会貢献大學をつくる時に、こういう人に声をかけて『一緒に勉強しませんか?』と呼び掛けて、社会貢献大學での学びながらボランティアをやって、子育てとか高齢者とか障がい者とかまちづくりとかボランティアをする事によって、自分自身が感謝されることの喜びというもので生きがいを感じ、生きがいになっていくんだよね、ということを伝えていきたいと思うのです。

 

聴手:なるほど。江東区助け合い活動連絡会というのは、色んな世代が関わることで、縦割りではなく地域の力を上げていこうよ、ということを目指しているのですね。

 

渡辺:そうそう。