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2019-05-19 16:35:00

訪問をありがとうございます。

 

今朝、家でぼんやりテレビを観ていた時、作家川村元気さんが認知症の母子の話を書いた書籍を発売したというニュースが目に入りました。

 

川村元気さんと言えば、『電車男』『君の名は』『告白』『億男』など数々の映画などでも有名な方ですが、私はこの方の書籍を読んだことはありませんでした。

 

で、早速江東区に向かう最中に書店で購入し読みました。

 

 

 

 

認知症についての書籍と言えば、(私の中で)一番古いものは、有吉佐和子さんの『恍惚の人』です(今調べたら1972年の作品だったらしい)。

 

私は短大生の時に読みました

 

有吉さん自身が10年近く取材を重ねて綴った作品だったようですが、文壇からは冷遇されたようです(Wikipedia先生より)。

 

改めて(本屋で立ち読みしながら)サラッと読んでみると、何というか、認知症症状の周辺症状と呼ばれる行動(徘徊とか放尿とか弄便とか異食とかとか)が中心で、ある意味『あぁ、もしかしたらこの本がきっかけで認知症のイメージが世の中につくられてしまったのかもしれない』と感じざるを得ませんでした。

 

この本の主人公は嫁で、義父を介護するという話だったのですが、認知症本人の心情等は一切触れることなく、介護者だった昭子(主人公)の視点で書かれており、詳細は分かりませんが映画化されていたと思います。

 

 

 

 

次に読んだ認知症に関する書籍は、萩原浩さんの書かれた『明日の記憶』です。

 

この本は、元々私が好きな作家だったため、たまたま読んだら認知症に関する本だった…というものでしたが、認知症本人の目線から書かれた本で、萩原さん独特のユーモアと感動を織り交ぜた作品です(2004年作)。

 

この本を読んだ渡辺謙さんが大変感動して映画化されていましたが、映画のほうは何というか、渡辺さんの想いがちょっぴり強すぎていたような気がしました(私の主観です)。

 

萩原さんのうまいな~と思うところは、認知症を患った本人が、徐々に一つひとつの物事を忘れていく様を上手に描写してあると同時に、ユーモアを交えてその重さを薄めてくれているところです

 

また、いたずらにショッキングな部分だけを取り上げるのではなく、エピソード一つひとつに『認知症の方目線』が上手に入っていて、当事者の気持ちを理解しやすい内容だったと思います。

 

 

 

 

そして、今回の書籍。

 

川村さんの読者は若い方も多いと思うので、この本を通して『認知症』というものが、どのように社会から認識されるのかを注視していきたいと思います。

 

と同時に、今のこの安心安全で便利な社会において、人の終末期を含めてどのように過ごすことがその人にとっての幸せなのだろうか?親子とは、夫婦とは、家族とは一体何だろうか?などを考えてしまいました。

 

そして、改めて時代を踏まえて、これらの書籍をじっくりと読み比べてみたいと思った私でした☆