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2018-09-16 07:41:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は、前回のご近所ミニデイの続きについて書かせていただきます。

 

前回は、費用削減と主体性を引き出すメリットについて書かせていただきました。

 

今日は、それ以外のメリットを挙げさせていただきます。

 

 

 

 

3)認知症高齢者に効果がある。

 

認知症対策は国や医療が積極的に取り組みを進めていますが、私は『いかに地域でさりげなく支援するか?』がポイントだと考えています。

 

認知症高齢者に対する一番良い支援は、“安心できる場づくり”だと私は考えています。

 

日々、色々な記憶が抜け落ちていき、たくさんの不安を抱えた認知症高齢者にとって“安心できる自分の居場所”があるというのは、どんな認知症薬よりも効果があると思うし、安心することで周辺症状(つじつま合わせの作話や感情不安定さなど)を最大限抑えることができると同時に、活動することで昼夜逆転などの周辺症状を抑える他、身体機能の維持も図れます。

 

“ここにいても良いんだ”と思える場所、“ここは自分を必要としてくれているんだ”という場所があると、人は安心したり最大限の力を発揮します。

 

それを引き出すことができるのが、“認知症の〇〇さん”ではなく、“〇〇さんは認知症がある”と捉えてくれる地域の住民なのですよね(この差はとても大きいのです)。

 

そして、その支援の最大効果を狙えるのがご近所ミニデイだと仮説を立てて運営してきました。

 

この私の仮説は正しいと感じています。

 

また、具体的に地域住民が対応できる認知症高齢者のレベルは、要介護2まで大丈夫なことが現段階で実証できています。

 

そして、地域ボランティアとケアマネジャーが連携を図ることで、本当に必要な支援を提供することができるのです。

 

 

 

 

要介護の認知症高齢者に対して、地域の担い手がその様子を見て、支援が必要だと感じた部分を私に教えてくれ、それを私はケアマネジャーに伝え、ケアマネジャーは必要な支援を提案・調整する。

 

具体的に実例をあげますね。

 

Aさんの場合をご紹介します。

 

この方は短期記銘力が低下し、利用日を覚えることができない・会場まで道を覚えることができなくなりました。

 

そこで、ボランティアさんが(自発的に)電話の上迎えに行くという対応をしてくれています。

 

その時に、玄関先で自宅の様子を確認し、高齢者の支度の様子から動作の手際を確認してくれたり、家の臭いから整理整頓の状況確認をしてくれたり、薬カレンダーからの服薬状況をみてくれたりしています。

 

また、歩いて移動中に最近の生活困りごとの有無を聞いてくれます。

 

そこで課題を見つけたら、それを私に教えてくれるため私はケアマネジャーにそれを伝えます。

 

それをケアマネジャーが確認後、後見人の方と相談しながら対応を図っていく、という形で進んでいます。

 

これで訪問介護導入のタイミングを図ったり、数か月前にお昼代の支払い等を含め金銭管理が困難になったことを早期発見でき、都度、Aさんの状況に合わせた支援を提供できていると思います。

 

 

 

 

4)介護の人材不足が緩和できる

 

地域の住民が比較的元気な高齢者を対応してくれれば、介護の専門職はその分専門職にしかできない役割を全うすることができます。

 

これは本当に大きな効果で、実は介護の専門職を増やそうとイメージアップに4億円の予算が使われていたりするので、それらが削減されることになります。

 

また、地域住民もボランティアをすることで、自らの健康寿命を延ばすことができ、みんながハッピーになると思うのですよね。

 

 

 

 

当集いの場だけかもしれませんが、地域ボアンティアの方々は、自分がボランティアをしているという感覚はありません。

 

私が「手伝ってくださーい」とお願いし放置している中で、高齢者の方々と一緒に楽しんでいるという感覚で参加をされています。

 

それでも、最初に観察の視点をさりげなく伝えるだけで、専門職並みの観察力とエンパワメントを発揮してくれます。

 

ご自身に予定があって休みを取る時も、だいぶ前からきちんと教えてくれたり、代わりの方を準備して休んでくれたりと、責任感もあります。

 

なにより、私自身が地域の方々からたくさんの素晴らしいところを盗ませていただいています(ニヤリ)。

 

 

 

きれいごとに聞こえるかもしれませんが、こういう“提供する側も受ける側も同じ立ち位置で楽しく過ごしている”が、人の持っている力のおもしろさを発揮し、幸福度を高めることができているのですよね。

 

どうせ社会保険を利用するなら、“家族の都合で(嫌だけど)参加する”とか、“面倒くさいけど迎えが来るから参加する”ではなく、自ら“この日この時間にみんなに会えることを楽しみにして参加する”のマインドを忘れないでほしいと思います。

 

当集いの場は、私目当てでもなく、サービスを受けに来るでもなく、「ここに来ればみんなに会えて元気をもらえるから」という理由で70代の方から93歳の方まで、ご自身の力で通っています。

 

それが「その人らしく生きること」であり、介護保険の理念だと思うのですよね。

 

皆さんは、ご自身が歳を重ねた時、どのように過ごしたいと考えますか?