インフォメーション

2018-09-13 07:36:00

訪問をありがとうございます。

 

昨日は、金融機関を廻って半日が終わりました。

 

税金を払えるだけの企業になったということはありがたいと思う反面、どこまで税率は上がるのだろうと考えてしまいます。

 

 

 

 

さて、今日は『これからの介護保険事業への新規参入は慎重に』について書かせていただきます(本日は、介護保険の話です)。

 

先日、独立開業セミナー開催の記事を読みました。

 

で、私が思ったことは、『これからの時代に起業を勧めるなんて無謀だなぁ~』ということです。

 

あ、一人事務所で起業するのであれば止めません。

 

自己責任ですから☆

 

私は、自他ともに認める適当人間ですが、それでも数字を読むのは得意です。

 

それも、売り上げでなく『利益率』を読むのが得意です☆

 

どのくらい得意かというと、23歳の頃から26歳でケアマネジャーになるまで千葉県でも1・2を争う小さい市町村で訪問介護事業の責任者を行っていましたが、在宅介護最大手の企業で利益率が777店舗中上位25位以内には入っていました。

 

あのちっちゃくて人口の少ない地域で利益率を上げることって、私の中ではとても大変な経験でしたが、それがあってこそ、起業してもやっていけるという裏付けを自分自身で持つことができたのです。

 

そんな私でも、今の時点で介護に関する起業をするか?と聞かれたら、『しません』と断言します。

 

以下、その理由を3つ書かせていただきますね。

 

 

 

 

理由1:人口減少に伴い様々な産業で人材が不足してきているから。

 

私が開業した時期は、ケアマネジャーの数は比較的余裕がありました。

 

今は、ケアマネジャーの仕事には魅力を感じないと思っている人が多く、ケアマネジャーのなり手は減っています。

 

会社を興しても、良い人材を採用できる確率は激減しているのです。

 

また、現在の新しくケアマネジャーになる中で見込みのある人は、『きちんとした組織でケアマネジメントを学びたい』と考えています。

 

いわゆる『現職よりも給与が上がるから』という理由ではありません(そういう職員もいますが、採用後苦労するのは目に見えています)。

 

なぜなら、センスのある人・有能な人は、現在の職種で既にケアマネジャー以上の給与をもらっているから☆

 

もう一度書きますが、ケアマネジャーのなり手は減っています。

 

そして、『あなたはそれだけ人を引き付ける何かを持っていますか?』ということです。

 

現在主任ケアマネジャーを取得しており、数字を読むセンスのある人は大抵起業しています。

 

その中で、『あなたが他人に負けない何かがあり、勝負しても勝てる自信がありますか?』ということと、『ケアマネジャーが転職を考えた時に、ここで働きたいと思えるだけの条件を出すことができますか?』ということを問いたいです。

 

需要と供給のバランスを考えた時に、かなりの好条件を出さないと人は集まらない状況です。

 

そして、それだけの魅力ある企業を短期間につくるということを私は非常に難しいと考えますし、それだけのスキルがあって現在起業していないのであれば、『なんで今?』と逆に不思議に感じます。

 

 

 

 

理由2:3年後には介護保険利用者数が減ることが明確になっているから。

 

これも、私がこれからだったら起業しないと考える大きな理由になっています。

 

現在、要支援1~要介護2までの利用者が、介護認定を受けている利用者の6割以上を占めています。

 

この全体の6割を占めている部分が、3年後か6年後には総合事業という名の市区町村事業に移行します。

 

これ、この業界では知っていて当たり前の情報です。

 

今までの4割の需要に対して、『勝つ自信はありますか?』ということです。

 

ちなみに、総合事業で要介護1・2の方々を受け入れた時に、特定事業所加算はつきません。

 

その時に耐えうるだけの企業となっていなければ潰れます。

 

今、特定事業所加算を取得して高い給与を払えている事業所も同様です。

 

そして、現在は認定調査も厳しくなっており、要介護3以上の方は、何かしらの複合的課題を抱えている方が多いです。

 

それらに対応できるスキルを持った職員を採用し、育成し、現場で活躍させることのできる企業になっていないと、現在うまくいっている事業所でも潰れると私は危機感を持ってます。

 

3年後、需要が激減することが分かっている事業に、今から参入するリスクを考えてほしいなぁ~、と思います。

 

 

 

 

理由3:これからの時代で求められるケアマネジャーのスキルは『相談援助技術』だから。

 

これが一番大きな理由です。

 

介護保険も創設されてから、それなりの年月が経ちました。

 

はじめの頃はケアマネジャーという職種を理解していただけず、『サービスを利用する時に必要な人』程度でしたが、今は変わっていています。

 

そして、デジタル化も進んでいる今、やっと本来のケアマネジャー業務を行うことが求められてきました。

 

そう、『相談援助技術』です。

 

これは、単に利用者の話を聞いて、自分の中で必要な支援を考え提案するというだけでなく、『利用者自身に考え行動を起こすための働きかけ技術』が求められます。

 

エンパワメントですね。

 

そして、利用者のみでなくその家族に対してもそれを行うことが求められてきています(少なくとも私の地域では)。

 

アセスメント力と課題分析能力が必要とされているのです。

 

これに気づいていなくて、『最近、細かい利用者・家族が増えたよネ』と言っているケアマネジャーもいますが、違います。

 

本来の役割が求められだしたのです。

 

今までは、業務スキルを効率的に行うことが求められていましたが、今後は変わります。

 

利用者・家族に伴走し、本人たちに自ら答えを引き出せるよう働きかけ、その答えを具現化するためにチームを形成しマネジメントできる人が求められています。

 

これ、今から起業して、経営者としてのスキルも高めながら、自分自身も研鑽し、さらに職員を教育できますか?

 

 

 

 

ザックリ書くと、こんな理由から私はこれからの起業については、よくよく慎重に考えた方が良いと思います。

 

現在、起業している人をみるとキラキラしているように見えるかもしれません。

 

が、良い部分だけを見て裏の部分を見る機会がないまま、勢いで起業することだけはしないでほしいなぁ~、と思います。

 

今まで経験をたくさん積んで、さらに3年後の制度改正を踏まえて、知人らと協力して起業するのは別ですよ。

 

一から自分で立ち上げるというのは、とてもとても大変だということです。

 

ちなみに、当社は職員は今まで扶養者を抱えた職員を採用したことはありません。

 

理由は私自身が(数字を読むことは好きだけど)経営者としての自覚がないからです。

 

経営をしたいから起業したのではなく、社会保険の適正化と地域づくりをしたくて起業したため、扶養を抱えた職員は怖くて採用できませんでした。

 

人を雇うって、そんなものだと私は思っています。

 

いざという時に自分自身は無報酬になっても良いから職員を守れる覚悟があり、事業を拡大し職員やその家族の生活を保障できる自信がないと、経営を行うことは難しいと私は考えています。

 

というわけで、『私は起業するんだ!独立して公正中立なケアマネジメントの実現を目指すんだ!』という方には『頑張って』と思いますが、悩んでいる方がいたら、今一度よくよく考えた方が良いと思います。

 

働き方改革の影響も出てくる為、一度入った職員は安定した人材ではなく、常に『ここで働き続けたい』と思ってもらえるようなしかけが必要なのです。

 

そのあたりも含めて、実現をリアルに描くことをお勧めします☆