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2018-06-02 07:22:00

訪問をありがとうございます。

 

今日は土曜日ですが、半日はモニタリング訪問を予定しています。

 

皆さんは、休日を楽しんでいますか?

 

そんな休日の楽しい時間をぶち壊したくはないので、お時間のある時に、今回の記事は読んでいただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

今日は、“前回の社会保障とは?”の続編として、社会保障が継続困難になった原因について、社会の流れを踏まえて書いてみたいと思います。

 

相変わらず山崎史郎さんの書籍を参考に、私なりに考えたものを書かせていただきます。

 

 

 

 

結論から書いてしまうと、社会保障が継続困難になった理由として、3つの原因があると感じています。

 

1)家族形態の変化(核家族・単独世帯の増加)

 

2)雇用システムの変化

 

3)人口減少

 

 

 

 

まず、1についてですが、高齢者介護が社会問題になったのは、1970年代以降です。

 

介護保険創設時に、亀井静香氏が『家事援助なんて家族がやることだろう!』と発言したなんて話もありますが、そもそも日本って、『日本型福祉社会論(家族による支えを主とする日本型福祉社会を目指すべきという考え方。1979年の新経済社会7か年計画にも盛り込まれています)』があったのです。

 

この考え方が根底にあるので、介護保険の生活援助は同居家族の縛りがきついんですね(これは介護保険では制度の上で公平性に欠けるので、本当は強制できないのですが、現実は強制的に生活援助に縛りを与えている保険者は多いですよね)。

 

国策とも言えるような形で推進された『マイホーム信仰』で核家族化に拍車がかかり、さらに、世の中が便利になった事、親の面倒を子どもがみなくても良いということが“常識”になった結果、2016年には親と既婚の子ども世代の同居率は、わずか11.4%となってしまいました。

 

そりゃあ、今まで家族が担っていたことを介護保険で対応するとなると、給付が伸びるのは当然のことですよね。

 

さらに、進み続ける家族の解体(!?)の結果、現在は『孤立化』が大きな課題となっています。

 

 

 

 

そして、2つ目の原因である雇用システムの変化。

 

これは、団塊の世代の方々はご存知だと思いますが、戦後の日本社会は『終身雇用』が基本でした。

 

が、バブル崩壊(1991年)をきっかけに、世の中に大きな衝撃を与えたのは、1997年の山一証券・1998年の日本長期信用銀行の破綻です。

 

私自身、1997年に社会人となったのですが、短大を出た友人から、ある日突然『出勤したら会社(山一証券)が倒産してた!!!』という話を聞いて、びっくりしたのを覚えています。

 

そう、1990年代って、本当にある意味大変なことがたくさん起きていた時期でした。

 

1991年バブル崩壊による失業率の向上、1995年阪神淡路大震災、1997年山一証券破綻や非正規雇用の増大、1998年就職氷河期や日本長期信用銀行の破綻etc

 

そんな中、社会保障の観点からみると、雇用形態の変化(正規雇用から非正規雇用への転換)は、大打撃なわけなのですね。

 

なんせ、コロコロ勤め先が変わるということは、安定した税収を得ることが困難になるからです(こまめな変更や追跡が困難)。

 

また、度重なる面接を繰り返したり、非正規雇用という安定性に欠けた中での就労は、『ひきこもり』を生む大きな原因になっていると言われています。

 

そうなると、税を徴収どころではありません。

 

むしろ、失業手当や傷病手当等支給することになります(権利を主張するのが悪いというわけではありません。社会保障の観点から書いています)。

 

そして、自殺者の増大。

 

家族や地縁というコミュニティも失われ、会社という組織(頼れるある意味コミュニティ)も失われ、本当に絶望時代の中、様々な課題を抱えて介護保険は始まったのですよね。

 

そういうわけで、雇用システムの変化というものは、社会保障に大きな影響を及ぼしたと言われています。

 

 

 

そして、3つ目の人口減少。

 

これは、1と2の結果、そうなったという部分も大きいと感じています。

 

1986年より施行された男女雇用均等法に加え、先ほど挙げた社会の不安定さから、女性は社会で働かざるを得ない状況を生んだということも事実としてあると、私は認識しています。

 

現に私自身、高校生の頃進路を決める際に、顧問に『これからは女性も手に職をつけて働かないとだめだ』と言われ、何も知らずに介護の世界に飛び込んでしまったわけです。

 

昔の女性は大半が就労を『結婚までの社会経験』としていました(これも国策の一つなのですが、書き出すと長くなるので割愛します)。

 

それが、就労も当たり前のように行うとなると、そりゃあ女性が『子どもを産んで育てる』ということは苦しくなりますよね。

 

“本当は”第三次ベビーブームは2000年頃に来るはずだったのです。

 

が、上記に書いた社会情勢の中、誰が子どもを安心して産めるでしょうか?

 

そういう意味でも、私は少子化は社会が起こした現象以外の何物でもないと感じています。

 

 

 

 

あぁ、またしても長々と書いてしまいました(最近、こういうのが多いな)。

 

次回は、(忘れていなかったら)社会の変革により失われた“コミュニティ”について、書きたいと思います。

 

この3つの悩ましき課題の一番のインパクト(影響)は、“コミュニティの解体”だと思うので☆

 

コミュニティの解体が、社会全体に不安を生み、さらにいインターネットの情報によりダイバーシティ(多様化)が進んでいる今、人々が求めているものと、そのあり方について書いてみたいと思います。