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2016-12-11 12:54:00

訪問をありがとうございます。

 

今日も良い天気に恵まれ気分は上々・・・のはずですが、朝から経理に追われている私は、全然楽しくありません。

 

皆さんはどんな一日を過ごしていますか?

 

 

 

さて。

 

今日は、先日の提言を踏まえて、自立というものについて書いてみたいと思います。

 

久々に、がっつりとケアマネジメントの根本について書かせていただきます。

 

完全に私見であり、誰かにこの考えを強要するつもりもありませんので、興味のある方のみ、読んでいただけたら幸いです。

 

 

 

皆さんもご承知のとおり、『自立』というものには明確な定義がありません。

 

東京都が、平成15年に一度『自立』の定義を示しましたが(高齢者介護研究会報告書)、それはある意味『ローカルルール』的なものであり、一般的な定義とはなり得ていません。

 

様々な研修を受け、様々な講師の話す『自立』を聴きましたが、私にとって『要介護者にとっての自立』とは、これです。

 

 

 

【依存的自立】

 

一人だけ超然と立つ『自立』ではなく、他人にもたれかかる『依存』でもなく、また、『誰かに頼らない生き方』を人間の至上の生き方とせず、健常者を『標準』とし、それに近づけるものでもなく、『誰かに頼りながらも自分で生きていく』といった考え方のこと。

 

 

 

なんで、こんなことを書くかというと、そもそも、要介護者を支えるケアマネジャーが、介護保険の目的である『自立支援』の自立を、自分の中で明確に持っていないと、正しい方向に支援を進めることって、できないと私は考えているからです。

 

これ、とても見過ごされがちですが、とてもとても大切なことだと思うのは、私だけでしょうか?

 

 

 

この、『誰かに頼りながらも自分で生きていく』ことを自立とした場合、私たち支援者が大切にするのは『尊厳を支えること』であり、『自己決定を支えること』になります。

 

 

 

・可能な限り、自分らしく生活を営みたい。

 

・自分の人生に主体的・積極的に関わり、自分自身の人生を自分自身で創りあげたい。

 

・人間として、尊厳のある人生と生活を送りたい。

 

 

 

これを叶えるために、私たちケアマネジャーがいるのだと、私は考えており、これが叶った時に『自立した生活』を送れているのではないかなぁ、と思っています。

 

『正しい生活』を押し付けるのではなく、『その人らしい生活を利用者自身が感じられる生活を実現するために支援を調整・提供する』のが、ケアマネジャーの存在意義だと感じているのです。

 

ここまでは、ご理解いただけたでしょうか?

 

 

 

では、『それを踏まえて私たちケアマネジャーはどのように要介護者を支えれば良いのか?』についてですが、このように私は考えています。

 

 

 

・利用者の気持ちを十分に理解すること。

 

→本来であれば支援を使いたくない。でも使わないと生活ができないというジレンマを理解する。

 

→その人が大切にしているもの(価値観)を理解する。

 

・その上で、どうすることがその人の自立に繋がるかを『考え抜く』。

 

→利用者に寄り添う。利用者の側に立ち、何が必要かを考える。

 

→利用者の持っている力を評価しそれを最大限引き出す。

 

 

 

だから、表面だけ、疾病や身体機能だけをみて、サービスを組み合わせて提案することはやめましょうと思うわけで。

 

ただ、アセスメント票を埋めて、サービスの提案をするだけなら、誰でもできます。

 

ケアマネジャーって、そういう役割ではないでしょ、ということを言いたいのです。

 

 

 

アセスメント票が23項目あるのは、『偏った聞き取りで偏った支援に結び付けないため』に、23の項目を使って、多角的に利用者の状態を把握するようにできています。

 

全体像を把握するためのツールです。 

 

そして、それを聞き取りながら、その人の価値観や生活習慣を把握していくのです。

 

そして、利用者の持っている力を評価するのです。

 

 

 

『週に1回しか入浴をしていない』とご利用者が答えた場合、それが元々の利用者の生活習慣なのか?心身の機能低下によってそうなった結果なのか?

 

利用者は本当はどうしたいのか(本当は週2回は入浴をしたいと思っているのか、現状に満足しているのか)?

 

利用者は補清について、どのように捉えているのか?

 

何が原因で『本当はどうしたい』が叶わないのか?

 

利用者自身の持っている力はどの程度あるのか(どこを手伝えばそれが叶うのか)?

 

 

 

しつこく書いてしまいますが、そういうことを一つひとつ丁寧に聞き取っていき、その聞き取りを通じて、その人の生活を理解し、その人らしさを掴むこと。

 

利用者の『こうしたい』という思いと、実際の生活状態のギャップを把握する。

 

そして、利用者の『こうしたい』を叶えるために、どんな課題があり、どんな支援を利用すればその人が自己実現できるのかを考える。

 

『こうしたい』がない方に対しては、寄り添い、何が原因で意欲をなくしてしまったのかを理解して、どうすれば意欲を持ってもらえるかを考え抜く。

 

それがアセスメントだと私は理解しています。

 

そして、その『利用者の本当の想い』を上手に聞き出すために、事情聴取にならないような面接方法、対人援助のスキルを上げたいと考えています。

 

それが、利用者の尊厳を支えることに繋がると思うから。

 

ここまではご理解いただけたでしょうか?

 

 

 

アセスメントを行った上で、次に行うのは『頼る』支援の提案です。

 

ここは、利用者に『私が自分で支援を選択した』ということを感じてもらうことが大切です。

 

だから、ケアマネジャーの価値観で、偏ったサービスの提案をしてはいけないと思うのです。

 

 

 

利用者の価値観を把握した上で、複数の支援を相手が理解できるように説明しながら提案し、利用者自身に選定してもらうことが重要だと思っています。

 

それが『自己決定の尊重』だと思うから。

 

利用者が『自分ではわからない』と答えた時は、さらに一つひとつの支援先の特徴を、利用者が選択しやすい表現を使って説明すれば良いのです。

 

そのために、様々な支援先の特徴を把握し、自分自身の引き出しをたくさん持っておく必要があるのです。

 

 

 

はっきり言って、これを丁寧に行うことは時間と労力とスキルを必要とします。

 

ただね、これがしっかりできていないと、そして、こういったことを繰り返していかないと、介護保険に対して利用者は『受け身』になってしまい、主体性を引き出すこともできなければ、自立した生活を実感することもできないと、私は思うのです。

 

 

 

ただ、アセスメント票を埋めて、サービスを組み合わせて、支援を回すことは、誰でもできます。

 

だからこそ、自分の役割を理解して、その役割に沿って、支援を提供することが大切だと私は思うのです。

 

それが、専門員としての役割なんじゃないかなぁ、って。

 

なんて。

 

今日は堅苦しい話で終始してしまいましたが、私はいつもこんなことばかりを考えています。

 

 

 

皆さんは、自立というものをどのように捉えていますか?

 

ケアマネジャーの役割って何だと思いますか?